閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

『放射線~』記者クラブ特別賞、続編も視野

【FREE】『放射線~』記者クラブ特別賞、続編も視野

2015年06月05日
講演する伊東監督 講演する伊東監督

 日本記者クラブ賞受賞記念講演会が3日に千代田区・日本プレスセンタービルで実施され、特別賞を受賞した『放射線を浴びたX年後』(製作著作・配給:南海放送)の伊東英朗監督が登壇した。

 同賞は、記者クラブ賞と特別賞の2種類から構成される。前者は、クラブ会員および法人会員社に属するジャーナリスト個人を対象にしたもの。後者は、クラブ会員以外に向けたもの。どちらも、日本のジャーナリズムの高い水準を示す表彰であり、記者クラブの公益目的事業のひとつ。『~X年後』は、米国の水爆実験による漁船被ばく問題を取り上げた作品。第五福竜丸以外の被ばく問題に焦点を当て、高知県室戸市を中心にした港町の人々から取材した記録。地方民放局の厳しい条件下で、埋もれた事実を12年以上も粘り強く掘り起してきた努力が受賞に繋がった。配給協力はウッキー・プロダクション。

 イベントは、一般にも開放され多くの聴講者が集った。記者クラブ賞は竹内政明読売新聞東京本社取締役論説委員が受賞し、「日の当たらない人に多くの言葉をかけていきたい」と今後の展望を交えながら記者活動を振り返った。竹内氏の後に伊東監督は、元々深夜枠のTV番組で流されていた映像を映画公開(12年)した狙い、長期にわたる取材活動などに触れた。語った内容は、次の通り。

▽伊東監督 映画を公開した狙いは、取材活動の呼びかけにほかならない。過去ではなく現在も続いている問題を知らないがために、さきの福島原発問題でも同じ轍を踏んでしまうのではないかという想いを込めた。取材では、中々話してくれない人もいた。それ以上に、ほとんど反応がないことが難題だ。だが、『第五福竜丸』(59年)の故新藤兼人監督を取材した時に、『誰も聞いてくれなくても伝え続けることが大事』という言葉を頂いた。1月から新たな取材活動を始めた。第2弾に向けての歩みを進めていく。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。