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映連「2012年 新年記者発表会」、各社代表挨拶

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映連「2012年 新年記者発表会」、各社代表挨拶

2012年02月02日

平成23年全国映画概況発表.jpg


 1月26日に行われた一般社団法人 日本映画製作者連盟による「2012年 新年記者発表会」で、平成23年全国映画概況が発表された。興行収入は前年比82・1%の1812億円、入場人員は前年比83・0%の1億4473万人と厳しい結果となった。さらに、全国のスクリーン数は前年より73スクリーン減の3339で、18年ぶりに減少した。そこで語られた松竹、東宝、東映、角川書店の各社社長、専務による昨年の総括及び今年の抱負などのコメントを順次掲載する。(文・構成:和田隆)

(写真左から迫本松竹社長、島谷東宝社長、大谷映連会長、岡田東映社長、椎名角川書店専務)



顧客サービスの向上と収益力の強化を目指す

★迫本淳一・松竹社長
P1180952.JPG 昨年当社は16本の作品を配給し、邦画14本、洋画2本と、歌舞伎座の全てを収めた「わが心の歌舞伎座」で幕を開け、スタートは「毎日かあさん」「八日目の蟬」といったいわば本格的なドラマ。それからアニメの「劇場版 戦国BASARA」「鋼の錬金術師」などです。非常に前半は堅調で、我々が想定していた以上の成績を残すことが出来ました。後半は、「セカンドバージン」「一命」などが我々の期待に届かず苦戦しましたが、正月興行の「映画けいおん!」と「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」のスマッシュヒットで一年を締め括ることができた一年だったように思います。

 本年はさらにラインナップを強化し、お客さんに喜ばれるような作品を提供するべく努力して参りたい。まず、春休みの3月10日に「おかえり、はやぶさ」を松竹の本木克英監督が、藤原竜也さん、杏さんの出演でやります。「はやぶさ」はご承知のように3社競合になり、なんでそんなに「はやぶさ」ばかりやるのかと随分言われました。でも、やはりここ数年非常に厳しいニュースが続く日本の中で、明るいニュースと言えば「なでしこジャパン」か「はやぶさ」か、ということではないかと思います。それだけいろんな注目が集まり、また、その企画のタネとしても非常にやりがいのある企画なのではないかと。東映さんの作品が2月に公開されますので、東映さんと一緒になってこの「はやぶさ」を盛り上げていきたい。我々の方は、お子さんを含めたファミリーを勇気づけるということが役割だと思っていますので、ファミリー・ピクチャーとして公開する予定。

 そして、3月24日には「ウルトラマンサーガ」を公開。キャストもこれまで以上に強化して、いま非常に人気のAKB48のメンバーも加わり、更にバージョンアップした「ウルトラマン」にしたいと思っています。3月31日には、ゴールデン・グローブ賞の主要4部門にノミネートされたジョージ・クルーニー監督の「スーパー・チューズデー」を公開。これは我々のスタッフやご覧になった方の話を聞いても、本当に本格的なドラマで面白いという風に言われているので、非常に期待している作品。今年はいろんなところでアメリカ大統領はじめ、トップの交代が行われる中で、選挙の裏の参謀が大統領選を戦うみたいな話は、非常に興味深いのではないかと思います。

 4月28日に原田眞人監督で「わが母の記」という、モントリオールの国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞した作品で、これは本当にここ数年の中でも最も面白い映画の一つではないかなという風に思っています。役所広司さん、樹木希林さん、宮﨑あおいさんに出て頂いて、社の評判も非常に高く、昨年の釜山国際映画祭でもクロージングの作品に選出されております。

 6月10日には、非常にハードボイルドなんですけども、「劇場版BLOOD-C The Last Dark」というアニメを劇場版として公開させて頂きます。また、6月23日には、SMAPの香取慎吾さんとテレビ東京さんの「LOVE まさお君が行く!」という映画を公開します。これもクランクアップしていますけども、非常に笑えて尚且つほろっとできるような非常にいい出来だと聞いていますので、楽しみにして頂ければと思います。

 8月18日には、アニメ作品として「劇場版FAIRY TAIL」を公開させて頂きます。原作は「週刊少年マガジン」の看板作品で、コミックの累計は500万部を突破しておりまして、TVシリーズや関連商品など非常に人気あるものですので、映画化でさらにお客様に喜んで頂ければという風に思っております。

 そして、9月には綾瀬はるかさん主演の映画「ひみつのアッコちゃん」を日本テレビさんとご一緒させて頂きます。9月15日には角川書店さんと一緒に「天地明察」をアカデミー賞受賞後初のメガホンとなる滝田洋二郎監督で共同配給させて頂きます。アカデミー監督である滝田監督、そして本屋大賞である角川さんのところの原作(冲方丁)、音楽は久石譲さんという形で、まだ脚本しか見ていませんが非常に中身が面白く、期待が出来るのではないかと思っております。

 さらに、今年は監督生活50周年である山田洋次監督が、松竹の大先輩である小津安二郎監督へのオマージュを捧げるという意味で「東京家族」に取り組みます。昨年撮影する予定だったのですが、震災のことを踏まえて、山田監督がさらに家族のありようをもう一度見つめたいということで、今年になりました。そういう意味でも満を持して、山田監督が家族のありようを見つめたものをご覧頂ければという風に思っております。

ODSが定着

 その他、ODS(非映画コンテンツ)に各社取り組んでいますけども、松竹のODSのコンテンツとしては、シネマ歌舞伎とMETライブビューイングが、かなりお客様に受け入れられ定着してまいりましたので、この路線を続けてまいることと、また昨年から「シネマ落語」というのもご好評を頂いておりますので、歌舞伎、オペラ、落語と、松竹らしい作品でODSをやりつつ、他のことにも意欲的に取り組むという形にしたいと言う風に考えております。

興行部門の強化

 昨年は東日本大震災の影響もあって、興行界は非常に厳しい影響を受けて、大谷(信義)会長の方から昨年の興行の状況も発表があったわけですけども、そういうような興行界が厳しい中で、松竹としても興行部門は松竹グループのコア事業の一つですので、松竹マルチプレックスシアターズを中心に興行部門の強化をして、さらに顧客サービスの向上と収益力の強化を目指して参りたいと思っております。
 また、その興行部門の中では、大阪ステーションシティにオープンしました、「大阪ステーションシティシネマ」が、東宝さん、東映さんともご一緒させて頂いて、まずまずのスタートを切っております。これを引き続き関西地区ナンバーワンにして、国内動員でも有数なシネコンに出来るように頑張っていきたいと思っております。

 本当に昨年は厳しい状況ではあったわけですけども、松竹としてはお客様の心に残るような作品を丁寧に作って、一本一本、配給・興行が協力して丁寧な展開に努めて、少しでも皆様に喜んで頂けるように努力して参りたいと思っております。何卒ひとつ宜しくお願い申し上げます。(了)

※島谷能成・東宝社長の挨拶は次のページへ


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