「K-20怪人二十面相・伝」(’08)「BALLAD 名もなき恋のうた」(’09)「奇跡」(’11)等のCG・VFXや制作で知られる(株)白組(代表取締役社長:島村達雄)が、VFXスーパーバイザー監修を手掛け、中国の英雄、孫文を題材に描く長編3DCGアニメーション「孫中山」(製作:台湾)が製作される。
これは、去る10月17日台湾・台北市で日台アライアンスの合作調印(MOU)会見が行われ、コンテンツ分野の一本として発表されたもの。
台湾と中国は昨年、自由貿易協定であるECFA(両岸経済協力枠組協定)と知財保護に関する協定が締結され、台湾では本格的に中国市場への進出を図っている。その戦略の一つとして日本とのアライアンスを武器に中国市場を開拓する狙いで、あらゆる産業が対象となっているが、コンテンツ産業もその一つ。
去る9月15日には日本の(株)ブラ・インターナショナル(代表取締役社長:宮島秀司)との間で、劇映画「恋するシリーズ」6本の合作が調印されている。
今年が中国の辛亥革命から100周年にあたり、「孫文の義士団」(ギャガ配給)やジャッキー・チェン出演「1911」(東映配給)、そして角川書店が中国との合作で「孫文」の映画化を企画中だ。
今回の「孫中山」は、孫文の史実を背景に大エンターテインメントとしてフル3DCGアニメ化するもの。声の出演は、ブルース・リーの長男、ジェット・リーが主人公の孫文の声を演じる。監督は「2010 Golden Bell Award for 45th Best Animation Program」など数々のショート・フィルムの映画賞を獲得している邱立偉が、初の長編アニメーションに挑む。
邱監督が白組がかかわった「K-20怪人二十面相・伝」「SPACE BATTLESHIP ヤマト」など台湾で公開された作品をみており、日本総研より白組へ合作の依頼が今年の4月に来ていたが、100周年記念作品として2012年10月公開が決まっており、合作として製作に参加するのは無理と判断。「どういう形で協力できるのかいろいろ議論を重ね」(亀山暢央白組取締役経営企画室長)VFXスーパーバイザー監修として参加することになったもの。
題名の「孫中山」は、孫文が日本に留学した時に、“中山”性を名乗っており、台湾及び中国では“孫中山”が俗称として良く知られ、付けられた。
なお、現在日本での公開は未定である。
(代表取締役社長:指田 洋)