デビュー2年目の菅原紗由理の宣伝展開に注目!!
2010年12月15日
フォーライフが、デビュー2年目の菅原紗由理の最新ミニ・アルバム「Close To You」の発売(12月22日)に合わせ、大宣伝展開をする。
発売日を挟んで、あす16日から年内いっぱい、東京・渋谷で展開するもので、JR渋谷駅西口の大型街頭ビジョンで、アルバムのリード曲である「サヨナラまた…。」のプロモーション・ビデオを1万5000回以上に亘って流す他、渋谷のメイン・ストリートである「センター街」や西武渋谷店から東急ハンズ前までの「井之頭通り」では、菅原の特製フラッグを各所に掲げ、「サヨナラまた…。」のBGMを終日、流し続ける。「若者の集まる街・渋谷を菅原の音と映像、画像で一色にしていきたい」と言うが狙いだ。
菅原は、昨春、ミニ・アルバム「キミに贈る歌」でデビューした。同曲は、「着うた」などの音楽配信でトップを突っ走った。特に、ソニーミュージック系の音楽配信「モーラ」では独走状態だった。そういったこともあって今年、大晦日の「NHK紅白歌合戦」に初出場する西野カナと並んで“着うたの女王”として一気に浮上してきた。
デビューして半年後には、人気ゲームソフト「ファイナルファンタジーⅩⅢ(サーティーン)」のテーマ曲を歌った。同ゲームのテーマ曲は歴代、アンジェラ・アキや倖田來未が起用されてきた。菅原のようにデビュー間もない新人アーティストが起用されるのは初めてのことだったという。
そして、デビュー2年目の今年は、フジテレビ系ドラマ「素直になれなくて」の挿入歌(同タイトル曲)にも起用された。同ドラマには女優としても出演していた。さらに新曲の「『好き』という言葉」が、テレビ朝日系「科捜研の女」の主題歌に起用されてきた。
しかし、まだまだ菅原の知名度は高まっているとは言えない。そこで今回、若者の情報発信基地でもある渋谷で菅原を最大限にアピールしようということになった。
しかも、今回、宣伝展開の目玉としているのは、ミニ・アルバムのサンプルCD1万枚を無料配布することだ。今週末の18、19日に渋谷駅西口で予定しているという。
サンプルCDには、収録曲6曲のサビの部分を45秒間収録している。
実際に、CDを聴いてもらうことで作品と菅原の魅力を認識してもらい、購買意欲を高めていきたいというわけだ。
サンプルCDで、どの程度効果があるのかは分からない。しかし、最近はCDを買ったことのない若者も多い。菅原の場合も、“着うた”では実績が高いが、その反面、CDが弱い。そういった意味でも、デビュー3年目は“着うた”と“CD”との両輪で売っていけるアーティストにしていきたいという将来的なアーティスト戦略もある。
レコード産業にとって、パッケージ商品の低迷は深刻だ。音楽配信も一時の盛り上がりはなくなってきた。当然、経費とともに宣伝費も削減されている。そういった限られた状況の中で、いかに効率的なプロモーションを展開していくかが大きな鍵となっている。しかも、新人アーティストの発掘と育成は、レコード産業にとっては大きな要である。
菅原は、大手レコード・メーカーが運営する音楽配信会社「レコチョク」のCDアルバム予約ランキングでは1位となっている他、オリコンのアルバム期待度ランキングでも上位にランクされている。もう一歩と言うところに来ていることは確かだろう。それだけに「何とか、ここで」という気持ちになる。
フォーライフの後藤由多加社長は「歌で言葉が伝わりやすく、新人でありながらバラードも歌える実力派に育ってきた。ライブも3回行ってきて、ようやくお金の取れるアーティストに成長しつつある」という。
“渋谷ジャック”ともいうべきターゲットを絞り込んだ菅原の宣伝展開…果たして、この目論みは成功するかどうか注目したい。
渡邉裕二