米国の女性シンガー、レディー・ガガの新曲「ボーン・ディス・ウェイ」(3月16日発売)が、オリコン総合チャート3月28日付で初登場10位にランクインした。洋楽女性アーティストのシングルが初登場でベストテン入りするのは日本の音楽史上初めてだといい、女性アーティストのベストテン入りもゲームソフト「ファイナルファンタジー」のエンディングテーマに起用されことから、発売4週目で9位にランクイン(99年3月29日付)したフェイ・ウォン「Eyes On Me featured in Final Fantasy 」以来、実に12年ぶりとなるという。
今回、ベストテン入りを果たした「ボーン・ディス・ウェイ」は、ガガにとっては全世界で初めて発売されたシングルだった。もっとも、全米ではデジタル配信が開始され、2月26日付で初登場1位にランクされただけに実績はあった。日本でも、全米での音楽配信に合わせ携帯電話「Android au」のCMソングとしてスタートしていた。視聴者からの楽曲への問い合わせが殺到していただけに、ベストテン入りは今のガガの人気からいったら当然といえば当然だったかもしてない。
ところで、レディー・ガガと言えば、東日本大地震と津波の発生を受けて、いち早く被災者支援に乗り出したことで知られる。というのも、今回の新曲の発売を目前に控えた11日、東北、関東を中心に観測史上空前のマグニチュード9.0という巨大地震が襲ったことが大きかった。
そういったことから、この震災に日本人アーティストより早く反応したのがレディー・ガガだった。震災直後、自身の公式ホームページ上で白に赤字で「WE PRAY FOR JAPAN(日本の為に祈りを)」と印刷されたオリジナルのチャリティー用ブレスレットを急きょ制作し、1本5ドル(日本円で約400円)で販売し、収益はすべて被災者救援に充てると発表したのだ。
ガガは自身のツイッターに英語と日本語両方で、前述した「日本の為に祈りを (We Pray for Japan)」と書き込み
「日本に対する祈りの紅白のチャリティ・ブレスレットをデザインしたの。ここで購入して寄付をして下さい。収益の全ては津波被災者救援活動に充てられます。モンスター(ファン)たち、宜しくお願いします」
と呼びかけた。
このガガの呼びかけに、前世界のファンたちが応え、48時間で25万ドル(日本円で約2000万円)の売上を記録したという。この盛り上がりにガガは、「モンスターたち。あなたたちは48時間で日本救済のために25万ドルも集めたのよ。助けの手を差し伸べるのは大切なこと」と、さらなる協力を呼びかけた。
大震災から間もなく2週間が経とうとしている。被災地では未だに行方不明者が増え続けるなど、被害の全容はつかめないでいる。その一方で、芸能人の寄付や義援金活動が活発になってきたが、今さらながら被災者支援に真っ先に動いたのが、米ロサンゼルスに滞在していたガガだったとは…。正直言って、ちょっと意外なことだった。
(渡邉裕二)