東映「デンデラ」「大鹿村騒動記」1000円興行!
2011年02月04日
東映が、TOEIα系6月25日公開「デンデラ」(監督天願大介)と7月16日公開「大鹿村騒動記」(監督阪本順治)の2作品を、1000円均一の入場料金で興行することを決めた。
今回1000円興行の対象となった「デンデラ」は、天願監督が父・今村昌平監督のカンヌ国際映画祭パルムドゥール受賞作品「楢山節考」で描いた老人の“生”に挑んだ作品で、浅丘ルリ子をはじめ、倍賞美津子、山本陽子、草笛光子らが出演。「大鹿村騒動記」が、美しい山村を舞台に伝承歌舞伎に取り組む人々を描く群像喜劇で原田芳雄や大楠道代らが出演している。それぞれ2作ともベテラン俳優がキャスティングされ、高齢者の“生の輝き”をテーマにした作品であり、観客ターゲットである年輩者に加えて30代から40代への年齢層まで広げたいと製作のセディックインターナショナルが配給元の東映に提案、実施することになったもの。
基本入場料が1800円になってから1000円興行は、チェーン公開作品としては、木村拓哉、唐沢寿明主演の戦後50周年記念映画「君を忘れない FLY BOYS,FLY!」(監督渡辺孝好/日本ヘラルド映画配給)でトライされた。戦争映画という内容ながら、唐沢や木村という人気のキャストが出演、若者にアピールする狙いから実施されたものだが、配収4億円(興収では7~8億円)は成功だったのか、どうか。
もう一つは、松竹製作・配給「釣りバカ日誌」。2002年8月公開の「―13 ハマちゃん危機一髪」(監督本木克英)が、スペシャル版(「釣りバカ日誌S」)、時代劇版(「花のお江戸の釣りバカ日誌」)を含めてシリーズ第15作記念として1000円興行され、興収6億円と前作(5億5千万円)を超える成績を上げ、一昨年公開のシリーズ完結篇(「釣りバカ日誌20 ファイナル」)まで実施された。
今回の東映の試みが成功するのかどうか、TOHOシネマズの入場料金見直しが話題となっているだけに、業界に一石を投じることになりそうである。
(代表取締役役社長:指田洋)