【代表取締役社長:指田洋】:毎週金曜日更新
東京・調布の日活(株)撮影所が今年の夏からリニューアルを進めている。
同撮影所は約60年前に建てられ、大きな改修工事はされないまま現在に至っている。そして土地・建物は10年前、債権一斉弁済のために前社長・中村雅哉氏の個人企業が保有した経緯があり、現社長・佐藤直樹氏が就任以来撮影所の改修を行いたいと話していたが、この土地・建物の問題がネックとなっていた。今年の1月、建物のみを日活が買い取り改修工事が始まった。
東京には、日活を含め4カ所の映画撮影所があり、東宝はこの10月に総事業費100億円を投入してデジタルポストプロダクションセンターを完成させ、東映は10年前から始めたリニューアルがデジタルセンターとデジタルスタジオが7月に完成して完了し、角川大映撮影所は第三期工事に着工したりと、大規模な改修を実施しているが、今回の日活はそれほど大規模のものではなく、建物を買い戻し、老朽化による危険箇所の改修を行った。
具体的には、電源設備や階段の手すり、ステージの屋根、壁等を直した他、旧本館2階の編集室を俳優センターと会議室に、装飾・美術スタッフが使うマルチルーム25室を設置。大きな砂利が敷かれていた駐車場も舗装にされた。そして、トイレも増やし、和式から洋式に変え、パウダールームも設置された。2011年は、旧本館1階にある松喜食堂を改修するほか、撮影所社員が入るオフィスも一新する。
なお、同社では近い将来、デジタル化を踏まえた本格的なリニューアルを行う方針である。