当ブログで毎年ひっそりと勝手に発表している「年間マイ映画ベスト10」の2024年版を発表したいと思います。良かったらご覧ください。
日本映画・外国映画別で紹介します。ランキングは個人的な好みによるものなので、偏りがあることをご了承ください。対象は、2024年(1月1日~12月31日)に劇場公開および配信された作品で、私が観た180本の中から選びました。内訳は、外国映画が93本(うち配信限定8本)、日本映画が87本(うち配信限定4本)です。それではどうぞ!(ネタバレを含みますのでご注意を)
■日本映画
10位:『変な家』
気味の悪い間取りで想像を膨らませたのち、その予想をさらに上回る異常な一家の因習に巻き込まれていく。『犬鳴村』や『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、「ガンニバル」など近年増えている不気味な因習ものジャンルにまた一つ秀作が加わりました。
9位:『大いなる不在』
「義母は入院してない」という事実の判明から、突然サスペンス映画に急展開。徐々に明らかになっていく父親と義母の関係、そして深い愛が綴られる壮大な人生譚。藤竜也すごい。
8位:『十一人の賊軍』
体温が上昇する熱い映画。仲野太賀演じる兵士郎の真っすぐな生き様は特に胸がすく。しかし何と言っても阿部サダヲ演じる狂気・生真面目さ・コミカルさを同居させた家老の立ち回りがお見事。殺陣師の本山力演じる“爺っつぁん”のカッコ良さもピカイチ。
7位:『お母さんが一緒』
本当にいそうな三姉妹の見事な関係性。温泉旅館で喧嘩ばかりというワンシチュエーションの106分だが、どう転ぶのか目が離せない。三人が爆発し切ったあとの朝の爽やかさ。この姉妹はずっとこうやって生きてきたんだろうなと納得。
6位:『あまろっく』
江口のりこ主演作が連続ランクイン。家族団らんを求める若妻と、父親の温かみを再認識していく中年娘の、映画史上類を見ない異色な関係のコンビが織り成す素敵なストーリーに思わず涙してしまう。
5位:『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
内野聖陽演じる主人公の、復讐を決意してからのオープニングロゴにシビれた。復讐版「地面師たち」という内容で、よりエンターテインメントに寄った作品。なかなかハラハラさせる展開で、結末も痛快だった。
4位:『カラオケ行こ!』
「クスッ」と笑えるシーンがテンコ盛り。妙な友情を積み重ねた末に砂の器形式でクライマックスに歌う「紅」はズルいでしょ…。アツいし泣けました。この映画を観たあとは毎日「紅」聴いてました。
3位:『ディア・ファミリー』
人工心臓からカテーテルの開発に目標変更した時は違和感を覚えましたが、そのモヤモヤをねじ伏せるように、長年の苦労が実り社会で多くの人は救われたという結末に涙腺が崩壊しました。Mrs. GREEN APPLEの主題歌も本当に良かった。
2位:『侍タイムスリッパー』
『太秦ライムライト』に続く傑作誕生。山口馬木也演じる主人公の“侍っぷり”が実にいい。ヒリヒリするような真剣勝負は名場面。冨家ノリマサ演じる風見の演説も時代劇愛にあふれていた。1位でも良かったぐらいの素晴らしい映画。
1位:『ミッシング』
SNSに「二度と見たくない傑作」といった感じのことを書き込んでいる人がいましたが、まさにそういう作品。吉田恵輔監督の人間観察・社会を見つめる目線の正確さと再現性に驚かされました。娘を失った夫婦の関係、会社と被害者の間で揺れる記者、そして無責任で移り気な社会。全方面に心当たりあり。完全に現実と地続きの凄い作品。
■外国映画
10位:『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
戦場のど真ん中にいる臨場感で、映画館で観るべき映画。分断からの戦争が他人事ではないことを感じさせる。「お前はその種類のアメリカ人だ」は映画史に残る怖いシーン。
9位:『ぼくとパパ、約束の週末』
自閉症の息子とのサッカースタジアム巡りを通して理解・成長し合う心温まる物語。少年が、何としても観戦するために苦手なボディチェックを我慢する姿は健気でウルっときた。
8位:『ソウルの春』
軍事クーデター完遂までの数時間を描く衝撃的な作品。一進一退の攻防の中、最後はソウル寸前の橋でのにらみあう痺れる展開。韓国で「心拍数チャレンジ」が流行ったというのもわかるほど、頭に血がのぼりました。この映画が公開された12月に韓国で戒厳令が発令されたのは何たる偶然…。
7位:『恋するプリテンダー』
シドニー・スウィーニーのボディに目が釘付けになる。主演2人の駆け引きが可愛らしく、周りのキャラクターもいいヤツばかりでとても楽しい映画。オペラハウス前でのクライマックスは抜群にロマンチック。
6位:『エイリアン:ロムルス』
全編にわたり1~4のオマージュ満載。シリーズの良いところを活かした怖さ、アニマトロニクスにこだわった生々しさは現代でも素晴らしく、古くても新しい普遍的な面白さ。
5位:『ビヨンド・ユートピア 脱北』
よく撮ったなという脱北密着ドキュメンタリー。張り詰めた緊張感のなかでの山越えや渡河…。素朴で故郷を想う脱北者が愛おしく、北朝鮮の過酷な生活と情報統制に言葉を失う、感情がゴチャ混ぜになる作品。
4位:『オッペンハイマー』
純粋に原子爆弾開発の経緯が興味深い。そして科学者としての熱意・懸念、戦後の政争がドラマチックな編集で描かれ、壮大な音楽とスピード感で息つく暇なく見せる。オッペンハイマーとストローズの目線でカラーとモノクロで棲み分ける構成も斬新だった。ただ、やはり原爆の被害は劇中でしっかり描くべきだったと思う。
3位:『陪審員2番』
年末に突然イーストウッドのダークホースが配信限定で登場。『十二人の怒れる男』のような様相で始まったものの、実はヘンリー・フォンダ的立ち位置のキャラクターが「これ俺が犯人じゃね…?」とドキドキし始める物語。保身と正義の間で揺れ動く主人公の心情はよくわかるし、少しずつ追い詰められる緊張感もいい。人間への戒めのような結末。ラストシーンのトニ・コレット、ニコラス・ホルトの表情が素晴らしかった。
2位:『哀れなるものたち』
監督が描く新鮮な世界観を見る面白さと、主人公ベラ(エマ・ストーン)が新しく見る世界のワクワク感が完全リンク。欲望と興味に素直に生きるベラの姿は痛快で、彼女に振り回されるマーク・ラファロ演じる男が最高。劇伴もなんか凄い。
1位:『フォールガイ』
砂浜での車両の大回転、大ジャンプに、むちゃくちゃカッコいいヘリからの落下など、スタントマンの見せ場をこれでもかと見せつける。その体を張った迫力アクションの数々に、興奮を超えてなぜか涙が出てきてた。KISSのカバー曲をはじめとした音楽もすごく良かった。愛すべき1本。
以上が私の外国映画・日本映画別の2024年ベスト10です。総合では『フォールガイ』を1位に推します。
なお、このランキングには入れられなかったものの、大好きな作品がまだまだありますので下記します。合わせてご覧ください(五十音順)。あと、2024年の新作には入れなかったですが、モノクロ版の『ゴジラ-1.0/C』も良かったです。
日本映画
『違国日記』
『映画 それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』
『帰ってきた あぶない刑事』
『がんばっていきまっしょい』
『九十歳。何がめでたい』
『94歳のゲイ』
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
『きみの色』
『朽ちないサクラ』
『劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』
『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』
『ゴールデンカムイ』
『ゴールド・ボーイ』
『52ヘルツのクジラたち』
『碁盤斬り』
『サユリ』
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
『トラペジウム』
『BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち』
『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
『ふれる。』
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
『室井慎次 生き続ける者』
『ルックバック』
外国映画
『アポロ13号:極限からの生還』
『ありふれた教室』
『ある一生』
『異人たち』
『イベリン:彼が生きた証』
『インサイド・ヘッド2』
『型破りな教室』
『ゴジラxコング 新たなる帝国』
『コンクリート・ユートピア』
『セキュリティ・チェック』
『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』
『ダム・マネー ウォール街を狙え!』
『ツイスターズ』
『デッドプール&ウルヴァリン』
『デューン 砂の惑星 PART2』
『トランスフォーマー/ONE』
『ネクスト・ゴール・ウィンズ』
『パスト ライブス/再会』
『バッドランド・ハンターズ』
『犯罪都市 PUNISHMENT』
『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』
『FEAST-狂宴-』
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
『マッドマックス:フュリオサ』
『ユニコーン・ウォーズ』
『ライオン・キンズ:ムファサ』
『落下の解剖学』
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