【Vol.68】イオンも導入へ、IMAXの「第2章」
2016年04月13日
イオンエンターテイメントが、いよいよIMAXシアターを初めて導入することになった。名古屋市のイオンシネマ大高に今夏オープンする。
IMAXの初導入は、3月に発表したティ・ジョイに続くもの。ティ・ジョイの2カ所、横浜と品川も今年の夏興行をメドにオープンする予定だ。
IMAXシアターの数が増加傾向にある。昨年はTOHOシネマズ新宿と同二条、109シネマズ二子玉川と同大阪エキスポシティ、広島・福山市のエーガル8シネマズの5カ所がオープン。今年も発表済みの物件だけで、前述の3カ所とTOHOシネマズ仙台がある。TOHOシネマズは新宿におけるIMAXの大成功を背景に、新たに10カ所での導入を決定。先の二条と仙台は、その中に含まれている。
ここへ来て、IMAXと新規で取引を開始する興行会社が増えていることが実に興味深い。全国展開している会社では、昨年のTOHOシネマズ、今年のティ・ジョイとイオンエンターテイメントはすべて新規参入組であり、福山エーガルのフューレックも初めて。
IMAXとの契約条件は興行会社ごとで様々のようだが、いずれにしろIMAX導入に伴う功罪を考慮した時に「功」がより大きくなるとの見通しが立ったのだろう。IMAXのブランド価値、集客装置としての力を認めたことは確かだ。
ちなみに、TOHOシネマズはTCX、イオンエンターテイメントはULTIRAという独自規格の大型スクリーンを開発・導入している。それらがよく言われるようにIMAXへの対抗軸であるとすれば、IMAX導入は方針転換ともいえる。
イオンシネマ大高のIMAX導入先は、プレスリリースによれば最大スクリーンとのこと。現在の最大は10番スクリーンで、ULTIRAとD-BOXの設置劇場。ここをIMAXシアターに改装するということだろう。TOHOシネマズは、新宿と同様、新館の仙台でIMAXとTCXを同居させる。
日本の興行会社の売上上位7社のうち、6社がIMAXを導入することになった。東急レクリエーションやユナイテッド・シネマが中心となって導入した時期をIMAXデジタルの「第1章」とするならば、現在は「第2章」、あるいは「第3章」の局面か。地方の独立系興行会社も含めて、IMAXシアターの広がりは注視しておきたい。
松本 貴則 月刊文化通信ジャーナル編集長 兼 映画部デスク
2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げる。2011年から映画部デスク。2014年から月刊文化通信ジャーナル編集長を兼務。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。