【Vol.54】イオンシネマ京都桂川へ、カフェにも注目
2014年10月17日
イオンエンターテイメントの新劇場「イオンシネマ京都桂川」が本日、グランドオープンを迎えた。先週10日からソフトオープンしており、その初日に内覧会と記者会見を開催。東京から取材に向かった。
映画館が入るイオンモール京都桂川は、JR京都線の桂川駅に直結している。改札を出た人の、ほぼ100%がモールに入っていった。桂川駅は京都駅から2駅、5分ほど。この近さ、そしてモールの大きさは、京都市内の商業にとって大きなインパクトを与えることは間違いないだろう。
映画館のイオンシネマ京都桂川は、同社のある幹部によると「これまでの集大成」的な劇場だという。ウルティラ、ドルビーアトモス、ディーボックスという3設備が大きな武器だ。一方で、小野瀬総支配人が「縁を結ぶ劇場に」「京都らしい、もてなしの心」といった言葉を強調していたことが印象に残る。
60万人強という初年度目標は、簡単ではない。実際、同社が昨年から今年にかけてオープンしている各劇場は、いずれも苦戦気味だと聞いている。競合関係もある中で、どれだけ足元商圏に根づいていけるのか。番組編成も含めて、その推移は大きな関心事だろう。
また、イオンシネマ京都桂川に関しては、隣接するカフェも要注目だ。33.3坪に、約50席を用意した。メニューも本格的。スペシャルティコーヒーの専門店「堀口珈琲」の豆を、新型抽出マシン「スチームパンク」で提供する。フードも充実していて、多種類のサンドイッチやトースト、パフェもあった。
この日、取材を終えたのがちょうど昼時だったこともあり、カフェに入店。コーヒーとサンドイッチを注文した。それぞれ400円、550円くらいの価格帯だったが、満足できるものだった。
同社は、カフェを多店舗展開したい考えを持つ。今回は映画館に隣接させたが、今後はカフェ単独での出店も有り得るという。本日17日には、このカフェでマスコミ向けに説明会と試飲会を開催。同社のカフェ事業責任者と、堀口珈琲の会長が出席した模様だ(さすがに、2週連続では京都に行けず)。
同社は先ごろ、全国約1200人を対象にしたアンケートの結果を発表した。その中で「映画館等のエンタメ施設に付帯したらいいと思うサービス施設は?」との設問に対して、最多(55.2%)の回答が「カフェ」だった。女性は全年代(20代~60代以上)でトップ、特に30代女性では約7割がカフェを希望した。このアンケートも、同社のカフェ展開の後押しとなることだろう。
松本 貴則(まつもと・たかのり) 映画部デスク 兼 サイト事業部所属
2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。