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【Vol.52】キノフィルムズがヒット連発

映画部デスクの「映画興行あれこれ」

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【Vol.52】キノフィルムズがヒット連発

2014年09月25日
 キノフィルムズ配給作品が、立て続けにヒットしている。8月22日に公開した『プロミスト・ランド』の後、9月13日公開の『リスボンに誘われて』、9月20日公開の『ウィークエンドはパリで』と続いた。

 スタート時の公開規模をみてみると、『プロミスト―』はTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか9館、『リスボン―』はBunkamuraル・シネマほか4館、『ウィークエンド―』はシネスイッチ銀座1館。いずれも、都内は1~2館、全国でも1ケタという小規模。いわゆるミニシアター市場において、確実に当ててきているのが分かる。まず東京でヒットさせ、その話題を広めて他の大都市での興行につなげ、さらに全国各地に展開していく。

 少しさかのぼれば、同社には『世界の果ての通学路』があった。今年4月12日に東名2館で封切って以来、ロングラン興行となり、9月16日には全国興収がついに1億円の大台に乗った。封切り館のシネスイッチ銀座で興収2800万円を超え、都内では銀座の後も劇場を変えつつ、途切れることなく5カ月以上にわたり上映が続いてきた。全国の館数は延べ60館に達した。

 今年、同社でこれほど多数のヒットが生まれたのは、偶然ではないだろう。2011年4月の法人化から、同社は現在4年目に入っている。この間、成功よりも、失敗の方が多かったのではないだろうか。良質の作品と自信を持っていても、簡単には動員に結びつかない。切歯扼腕したのも、一度や二度ではないだろう。

 こうした数年分の蓄積があって、個々人の、そして組織としての力が高まった。邦画の企画開発力、洋画買付けの眼力、それらを宣伝し営業する配給の力。それらが一体となって、今年、花が開いたと言えるかもしれない。

 キノフィルムズは目が離せない会社になった。




松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 サイト事業部所属

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。




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