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【Vol.46】サッカーW杯決勝戦、驚異の8K体験

映画部デスクの「映画興行あれこれ」

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【Vol.46】サッカーW杯決勝戦、驚異の8K体験

2014年07月16日
 サッカーW杯ブラジル大会は、ドイツの優勝で幕を閉じた。ドイツvsアルゼンチンの決勝戦は、日本時間14日・月曜日の早朝4時にキックオフ。多くの日本人が早起きをして観戦したようだ。私もその一人だが、決勝戦の模様を改めて見てみようと同日夜、イオンシネマ港北ニュータウン(横浜市)に足を運んだ。

 同館は、8Kスーパーハイビジョンによるパブリックビューイングの一会場。NHKが主催し、鑑賞料金は無料だ。この日は決勝戦を4時から中継したほか、録画上映を11時、14時、20時の3回実施した。

 劇場に到着したのが上映開始5分前くらい。チケット売場で座席を選ぼうとすると、残った席がほとんどない。196席の4番スクリーンで、9割ほどが埋まっていた。大注目の決勝戦とはいえ、録画上映。しかも20時上映スタート。まだ週の始まりの月曜日。そうした理由から、観客があまりいないのではないかと思っていたが、見通しが甘かった。

 実際にシアター内に入ると、実際は9割も埋まっていなかった。見た目では6割ほどか。無料だからとチケットを確保したものの来場しないケース、あるいは後半から観戦するケースなどが考えられる。客層は仕事帰りの30~50代の男性、同じく30~40代の女性。この人たちは一人客が多い。他に20代らしき10人くらいの男性グループ、外国人のグループ、小学校低学年の男児とその母親など。

 映像と音響は、素晴らしいの一言。「現行ハイビジョンの16倍、4K放送の4倍の画素数を誇る超高精細映像」「22.2マルチチャンネルの三次元音響」という宣伝文句では伝えきれない、これまでにない驚きの鑑賞体験だった。選手の表情や筋肉の躍動感、ボールの回転、ピッチの芝の状態、観客一人ひとりの顔までもがハッキリと見える。スタジアムの歓声が腹の底からゴーッと響いてくる感じで、抜群の臨場感だった。実況や解説がないのがまた良くて、ボールを蹴る音もよく聞こえた。

 さて、主催のNHKは、今回の8Kスーパーハイビジョンパブリックビューイングの実績を発表した。全国4会場(横浜・港北、東京・豊洲、大阪、徳島)で9022人、うち中継上映は1918人だった。唯一の映画館会場だったイオンシネマ港北ニュータウンは9試合を上映し、計3385人を動員した。内訳は中継上映が9回で890人、録画上映が74回で2495人。

 8Kスーパーハイビジョンを体験してしまったら、自宅のテレビ観戦ではもはや満足できないだろうなというのが正直な気持ち。コンテンツそのものの面白さと最新鋭の技術が融合すると、こんなにも魅力的な体験ができるのだと改めて実感した。




松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 サイト事業部所属

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。




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