【Vol.39】4DXが『アメスパ2』で上位入り、小田原にも
2014年05月09日
前回に続き、体感型の劇場上映システム「4DX」について。前回は、佐々木興業がシネマサンシャイン平和島に4DXシアターを導入し、4月25日のオープン直後の好況ぶりについて書いた。今回は、コロナが新しい4DXシアターをオープンするというニュースが届いたので、そこから話を始めたい。
コロナが新しく4DXシアターを導入するのは、神奈川県小田原市の小田原コロナシネマワールド内。全10スクリーンのうち1スクリーンを改装して、8月上旬にオープンする予定だ。5月7日、着工した。
コロナは、4DXシアター導入のスピードを加速している。昨年4月に中川コロナ(名古屋市)にオープン。4DXシアターの国内1号店として大きな注目を集め、客足も好調を維持している。その7カ月後の11月に小倉コロナ(北九州市)に、さらに5カ月後の今年4月に福山コロナ(広島県福山市)にオープン。そして福山から4カ月後の今年8月に、4つ目の4DXシアターを小田原コロナにオープンさせる。
コロナは今後も随時、全国に拡大していく方針を掲げている。上記4カ所の4DXシアターの立地をみてわかるとおり、中部、九州、中国、関東と国内の各エリアに1つずつ順次導入しているのが分かる。では、次はどこだろうか。コロナは今のところ新規出店の計画はないので、これまで同様、既存サイトを改装しての導入ということになるだろう。そうなると、北陸(金沢、福井)か、東北(青森)か。または、中川の好調を受けて、同社の拠点である愛知県内のどこかか。
さて、全国4カ所(中川、小倉、福山、平和島)の4DXシアターで現在上映しているのは『アメイジング・スパイダーマン2』4DX版(3D字幕、3D吹替)。同作品の劇場別の興収ランキング(全てのバージョンの合計)をみると、4DXシアターの強さがはっきりと表れている。大型連休明けの時点で、5位に中川、12位に福山、13位に平和島、14位に小倉。15位以内に4つの4DXシアター全てが入っている。
客席数は100席強と少ないが、稼働率が非常に高く、料金体系も通常料金+1000円となるため興収が伸びる。これら4サイトは普段これほど上位に入ることはなく、まさに4DXシアターの効果が表れた結果だと言えるだろう。ちなみに、ランキング上位にはIMAXデジタルシアターの導入劇場や、東京や大阪の都心部にある国内トップクラスの劇場ばかりが名を連ねている。
コロナ、佐々木興業に続き3社目が某所に導入を決めたとも、また、他社も導入を検討中とも聞く。韓国発の4DX、注目度がますます高まっている。
松本 貴則(まつもと・たかのり) 映画部デスク 兼 サイト事業部所属
2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。