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【Vol.35】東急レク菅野信三新社長に期待する

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【Vol.35】東急レク菅野信三新社長に期待する

2014年03月28日
 東急レクリエーションの新社長に、本日3月28日付で菅野信三氏が就任した。菅野氏は代表取締役専務取締役から昇任した格好だ。7年間社長を務めた佐藤仁氏は、代表権のない会長に就いた。

 菅野氏は1951年生まれ。宮城県出身。慶応大学経済学部を卒業し、1975年4月に東急電鉄に入社した。エリア開発本部企画開発部統括部長などを歴任し、2006年10月に東急アド・コミュニケーションズの専務に就任。そこから半年足らずの2007年3月に東急レクに移り、常務に。その後は2008年3月に専務、2012年3月に代表取締役、そして今年2014年3月に社長に就任したというのが略歴となる。

 一方の佐藤氏も1951年生まれ。出身地は宮城県。1975年4月に東急電鉄に入社している。二人は生年、出身が同じで、同期入社の間柄。佐藤氏が東急レクに入社したのは1995年10月だったが、2007年3月の社長就任と同じタイミングで菅野氏は東急レクに入社し、その時からいわば「二人三脚」で会社を切り盛りしてきた。佐藤氏はここ数年は特に不採算事業所の対応、コストコントロールの徹底などに注力、各業界が厳しい環境の中にあっても手堅く利益を出せるような体質作りを進め、実際に収益面で成果をあげてきた。何かと「縁」のある二人だが、役職からみても、これまでと変わって佐藤氏がサポートする立場に変わるのだろう。佐藤氏が築いた土台を引き継ぎつつ、菅野氏がどのような方針を打ち出すのだろうか。

 菅野氏は、ランキンランキンを東急電鉄在籍時に立ち上げ、東急電鉄から東急レクへと事業譲渡を行う流れを作った。また、今や圧倒的ブランドとなった「IMAXデジタルシアター」導入の旗振り役だったとも以前聞いたことがある。フィルム上映だったIMAXが日本の映画館から撤退していった経緯を知る映画業界人は、IMAXデジタルに二の足を踏んでいたが、そうした先入観のない菅野氏が同社の国内初導入を推進していった…、確かそんな話だった。ある人は菅野氏を「アイデアマン」と評していた。

 来年2015年には二子玉川にシネコンを新規出店し、新宿歌舞伎町の再開発の行方、渋谷でのシネコン建設の野望など、抱える荷物は大きい。映画業界の慣習に染まりきっていないであろう菅野新社長の想像力(創造力)、企画力に大いに期待したい。と同時に、チェーンのあり方、シネコン再編など激動の映画興行界において、すでにあった老舗興行会社としての地位に胡坐をかかずに、社長在籍の7年間で改革に努めた佐藤現会長の貢献ぶりも改めて評価したい。



松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 サイト事業部所属

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味はスポーツ観戦、読書。





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