今年の中央競馬の日程は全て終了したので、ここで2013年の私的名勝負ベスト10と回顧をしてみたいと思います。まずは名勝負ベスト10。
第10位 NHKマイルカップ(マイネルホウオウ)
苦労人・柴田大知騎手の初G1制覇。有力馬にはすぐに外国人騎手を起用する傾向にある中、地道に培ってきた人馬の絆で勝ちとったレースでした。
第9位 中山記念(ナカヤマナイト)
逃げるシルポート。追うナカヤマナイトとダイワファルコン。4角での大きなリードが少しずつ詰まっていき、ゴール直前で馬体が並ぶ白熱のレース。逃げ馬シルポート(3着)の魅力が最大限発揮されました。
第8位 ジャパンカップダート(ベルシャザール)
G1馬が実に9頭出走。2013年で最もハイレベルなメンバーが揃った豪華なレースでした。ベルシャザールはノド鳴りから見事なカムバック。ルメール騎手の見事な仕掛けのタイミングで初G1制覇を飾りました。
第7位 凱旋門賞(トレヴ)
オルフェーヴルの悲願達成ならず。キズナも頑張りましたが、トレヴはあまりに強かった…。悔しさNo.1のレース。
第6位 菊花賞(エピファネイア)
福永祐一騎手の初牡馬クラシック勝ち。折り合いの難しいエピファネイアをがっちり抑え、全くの隙のない競馬で圧勝。人馬とも来年の大きな飛躍を感じさせる、素晴らしい横綱相撲。
第5位 宝塚記念(ゴールドシップ)
オルフェの回避こそ残念でしたが、ジェンティルドンナ、ゴールドシップ、フェノーメノの3強が集結。その3頭が並んで4角を回った時はシビれました。ゴールドシップ強かった!
第4位 フォワ賞(オルフェーヴル)
最も「凱旋門賞を勝てる」と期待させてくれたレース。大阪杯以来&鼻出血明けetc、日本の競馬ファンに色々な不安が渦巻くなか、それを全部吹き飛ばしてくれた、オルフェの爽快なブッチぎり劇でした。
第3位 日本ダービー(キズナ)
「キズナ」という馬名、武豊の復活、全てがドラマチックな、まるで映画のような結末だったレース。エピファネイアが勝ったと思いましたが、目の覚めるような末脚で一気にキズナが交わした印象的な競馬でした。
第2位 スプリンターズステークス(ロードカナロア)
フォーエバーマークとハクサンムーンのハナ争いが注目されたレースですが、一瞬でケリをつけたハクサンの驚異的なスピード。そしてそれをマークし、力でねじ伏せた王者ロードカナロア。前走のセントウルステークスも含め、実に見応えのある2強対決でした。ロードの香港スプリントも凄かった!
第1位 有馬記念(オルフェーヴル)
文句なしでしょう。誰もが求めていた強いオルフェーヴルが、最終戦で最高のパフォーマンスを見せてくれました。馬券を外しても清々しい気持ちになれるレース。まさに「大団円」。種牡馬になっても、個性的で強い仔たたちをターフに送り出してほしいです。
続いて回顧と来年の展望ですが、やはり今年もオルフェーヴルに尽きます。凱旋門への挑戦と有馬記念の圧勝。3年間日本競馬を引っ張り続けました。一方、オルフェの次点に見られていたジェンティルドンナとゴールドシップは、それぞれG1を1つ勝ったものの、年間を通してみるとワンパンチ足りない内容だっただけに、来年の巻き返しに期待したところ。フェノーメノ、ジャスタウェイ、ウインバリアシオンらも含め、群雄割拠の時代になりそうです。
3歳世代は、キズナとエピファネイアの2強の活躍が目立ちました。まだ古馬との力関係がはっきりとしていませんが、一気に頂点に上り詰める可能性も。ロゴタイプの復帰も待たれるところです。牝馬G1を3つ勝ったメイショウマンボも楽しみな存在。
今年最も白熱したのはスプリント戦のロードカナロアとハクサンムーンの対決。最後はロードに軍配が上がりましたが、ハクサンのスピードも歴代屈指だと思います。ロードが引退した来年はハクサンが主役でしょう。
ダート戦線は層が厚く、スター勢揃いのジャパンカップダートは大いに盛り上がりました。エスポワールシチーが引退したのは1つの時代の終わり。来年はホッコータルマエ、ベルシャザールらが一応主役ですが、同じメンバーで走ってもいくらでも順位が入れ替わりそうな混戦ぶりです。
最後に2歳戦。正直牡馬は今のところ層が薄く、これからの台頭に期待したいところ。一方の牝馬は阪神ジュベナイルフィリーズ優勝のレッドリヴェール、2着のハープスターをはじめ、好素材が目白押し。このままいけば、桜花賞も華やかなメンバーが揃いそうです。