めっきり少なくなったAV嬢のメジャー・デビュー
2013年08月09日
かつてはAV女優が何組もメジャーデビューしていた。
93年に飯島愛が「ナイショ DE アイ!アイ!」で、当時のBMGビクター(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)から出た時も話題にもなった。「何で、AVの子を…」といった声もあったが、「そういったものを出すのも大切。会社の中も何となく盛り上がる…」と言った評価もあったものだ。いずれにしても、メーカーにも何らかの思惑があったのだろうけど、意外とビクター系が積極的だったように思う。
筆者としては、88年に歌手デビューした「かわいさとみは」盛り上がったものだ。やはりビクターからデビューした。とにかくインタビューもさせてもらったが「何で、この子がAVを…」と思ったものだ。AVとバカには出来なかった。デビュー直後には銀座山野楽器でキャンペーンライブもやっていたし、全国各地をCDキャンペーンで回ったりしていた。そんな甲斐もあってかオリコンチャートにもAVでは初めてランクインしていた。
それから20数年…。今でもAV嬢は多数出ているが、CDを出してもメジャーデビューを果たすのはめっきり少なくなったような気がする。最近の話題と言ったら3年前ぐらいに小向美奈子がメジャーっぽくデビューしたこともあった。いずれにしても時代と共に芸能界も寛容になったような気もする、が…。もっとも、メーカーからしたら出しても「売れない」ということかもしれない。ただ、正直言って「こんな新人を出すんだったら、AV嬢の方がマシだろう」なんてケースも多々あることも事実だ。
そう言った中、この秋に意外に期待されるんじゃないか…と思うようなアイドルAV嬢がCDデビューすることになった。
小島みなみと紗倉まな。
小島は21歳で、紗倉は20歳。小島は2年前の11年にAVデビュー。ビデオの他でも衛星(CS)の番組なんかに多数出演している。一方の、紗倉は昨年、AVデビューしたが現役の専門学生として話題になった。AV界では新人賞などさまざまな賞を受賞している。
そんな2人が結成したのは“乙女フラペチーノ”。
デビュー曲は、畑中葉子の歌った「後から前から」。80年ににっかつロマンポルノで公開された畑中主演の映画の主題歌。これも当時、ビクターから発売された。「カナダからの手紙」が大ヒットした畑中が「にっかつロマンポルノ」でデビューと…大いに話題になったものだが、その曲を…。おそらく音楽業界は“80年代ブーム”。そう言った部分での狙いはあるのかもしれないが、“乙女フラペチーノ”版の「後から前から」はクラブ調のアレンジで原曲より、さらにノリのある曲に仕上がっている。
8日の夜、東京・恵比寿のアクトスクエアで初披露されたが、振り付けは、J系の“超”人気男性アイドルグループの振り付けなんかも担当しているWさん。「AV嬢というイメージを出さず、楽曲を優先した振り付けにした」と言うが、AV嬢を彷彿するような色っぽい振り付けではないが、そうは言っても彼女たちの熱狂的なファンを裏切らない程度に色っぽい振り付けを施すのは苦労したに違いない。因みに、紗倉によれば「3日間で覚えた」と言う。
いずれにしても、10月末から11月ぐらいにCD発売したいそうだが、もちろん現時点ではメジャーデビューは決まっていない。初披露の日には、数人のメーカー関係者も渋々と?来ていたようだったが、瓢箪(ひょうたん)から駒が出てこないとも限らない?
(渡邉裕二)