日本最大の競走馬のセリ市「セレクトセール」が今年も8、9日に行われました。毎年「○○○の産駒がウン億円で落札された!」と話題になり、馬主だけでなく、競馬ファンからも熱い視線が注がれるイベントです。
落札総額は過去最高の117億円で、非常に盛況だった模様。アメリカの名牝アゼリとディープインパクトの産駒が2億4000万円で落札されたのは特に注目されましたね。
さて、私もセールに登場した馬の名簿にボンヤリと目を通していたのですが、そこで思ったことが一つ。
「同じ種牡馬の産駒ばかりだな…」
元々、社台&ノーザンファーム主体のセリ。サンデーサイレンスをはじめ、人気種牡馬の産駒が多くなる傾向ではありましたが、なんか以前よりもそれが強くなったような…
というわけで、簡単に調べてみました。今年と、ランダムに選んだ2005年を比較しました。すると、やはり人気種牡馬への集中は数字で表れてきたのです。(間違っていたらすみません)
当歳馬(この春に生まれたばっかりの仔)のセリで比較しました。今年登場した仔馬たちの親父は、全部で38頭。一方、2005年に登場した仔馬たちの親父は、なんと63頭もいました。
もちろん、上場馬の数も加味しないといけません。今年は全部で228頭が上場されました。一方2005年は315頭が上場。単純に、上場馬が多い方が種牡馬にも多様性があります。2005年の方が多いのは当然です。
ただ、平均で示した場合でも、今年は1頭の種牡馬につき6頭の仔馬が上場された一方、2005年は1頭の種牡馬につき5頭でした。やはり、偏りはあるようです。
さらに、サンデーサイレンスの血を引く馬への偏重も顕著でした。2005年は63頭の種牡馬のうち、サンデー系はたったの8頭。12%です。一方今年は38頭のうち16頭がサンデー系。42%です。
例えば、サンデー系以外で頑張っている種牡馬の代表格、タニノギムレットの産駒は、2005年は10頭が上場されましたが、今回はたった1頭。ジャングルポケット産駒は、2005年は9頭でしたが、今回は4頭でした。2005年に上場されていたグラスワンダー、ブライアンズタイム、マヤノトップガン産駒は今年はゼロでした。
まあ、サンデー系人気種牡馬への集中は今に始まったことではないですが、今回のセレクトセールを見ていて、改めてその傾向を強く認識した次第。昨年いっぱいで引退したルーラーシップ、現役で頑張っているロードカナロア、エイシンフラッシュ、トーセンジョーダンあたりの非サンデー系馬には、種牡馬としても大いに活躍してもらいたいです。
(数字は、セレクトセールのHPからさっと調べたものなので、間違いがあったら申し訳ありません)