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オルフェ回避&角居調教師の決断について (vol.30)

平池記者の「競馬ときどき映画」

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オルフェ回避&角居調教師の決断について (vol.30)

2013年06月14日

今週は競馬で大きなニュースが2つありました。その点から…

 まずはオルフェーヴル。肺出血のため来週の宝塚記念を回避しました。競馬ファンが半年も前から(メチャクチャ)楽しみにしていたジェンティルドンナ、ゴールドシップ、フェノーメノとの4強対決は幻に終わってしまいました。

 今後4頭が揃う可能性は少なく、まさに「ガックリ」という感じです。さらにオルフェは凱旋門賞の挑戦も危うくなり、仮に出られても去年のように万全の状態で臨めるかどうか…。とにかくこのニュースを最初に見た時は目の前が真っ暗になりました。まあ、これが競馬なのですが…


 もう1つの大きなニュースは前代未聞。名門の角居厩舎が、来年の2歳馬は一切預からない、驚きの発表をしました。

 JRAが、1調教師の預託可能頭数を削減する判断を下したため、それに対する抗議と見られています。今よりも頭数を制限されれば、新馬を入れるために、現役馬を早めに見切って引退させなければならない。角居調教師は「大好きな馬たちを裏切る行為」として、この大きな決断をしました。

 ネットのコメントを見ると、JRAを批判する内容がほとんど。でも、問題はもっと根深く、角居調教師の対応だけを見てJRAを批判するのはいかがなものでしょう。

 JRAだって、なにも角居調教師に嫌がらせをしたくてこんなルールを作ったわけではありません。有力な厩舎に素質馬が集中する一方で、力のある馬が集まらず、定年を前に廃業してしまう調教師が美浦(関東)を中心に続発。その現状を打開するための一つとして、今回の新ルールが施行されたのです。

 正直、私もこの改訂に「小手先」の感じは受けます。昨年、未勝利と500万下は自ブロック優先で出走できるよう変更した(関東の平場のレースで関西馬が勝つのを防ぐため)時もそうで、ある程度の効果はあっても、根本的な解決にはならないと思います。

 とはいえ、関西と関東の力差に開きができてから、もう20年以上経ちます。目に見えてその影響が出てきた今、パワーバランスが均等になるまで黙って見ているわけにもいかないでしょう。そういったやむを得ない状況から出たきた新ルールを、問答無用で批判はできないと思うのです。

 優先出走権の問題や、降着制度の変更についても、それまでに問題があり、批判が大きかったからこそ改訂したのに、新しくしたらしたで別の問題が発生し、また批判される。なかなか難しいものです。とりあえず、角居調教師が今回の件に一石を投じたのは確かで、これが良い形で発展していくことを期待しましょう。


 最後になりましたが、今週の重賞予想をサラッと。東京のユニコーンステークスは、前走で圧巻の末脚を見せたサウンドトゥルーに期待。勝ちみに遅かった馬が、前走で一皮むけた印象です。重賞初出走ですが、これまで戦ってきた相手は意外と強く、相手なりに走れる感じがします。
 函館スプリントステークスは、「夏の短距離は牝馬」ということでフォーエバーマーク。函館は2戦2勝。陣営は「何が何でもハナ(先頭)に行く」と鼻息が荒いですが、出走メンバーを見渡すと幸いにも単騎逃げが見込めそう。最内から経済コースを通って逃げ切りです。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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