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M高史は “一発屋” !?

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M高史は “一発屋” !?

2013年06月07日

 音楽業界に限らず、芸能界には “一発屋” というのがある。もっとも、一発でも当たれば御の字ではあるが…。それにしても、彼の場合は果たして “一発屋” という概念に入るのかどうか。

 …彼とは、モノマネ芸人アスリートのM高史である。

 今年のゴールデンウィーク――5月4日に埼玉・春日部市で開催された「春日部大凧マラソン」で、埼玉県職員の “公務員ランナー” 川内優輝選手に似た格好で10キロレースに出場した(川内選手は20キロのハーフマラソンに出場していた)。単に似ていると言うだけでは仕方ないが、彼の場合は、川内選手と同じ「埼玉県庁」(実際には「埼玉」の「玉」に点がなく「埼王県庁」となっていた)というネーム入りのランニングを着て走ったのだ。当然、川内選手と間違えた観衆がサインを求めて殺到したという。ところが彼の場合は何食わぬ顔をしてサインの求めに応じた――このことで物議をかもした。

 冷静に考えたら大したネタじゃない。川内選手だと思ったら…といった程度の話で、笑い話で済むことだったが、何故か、このことが多数のメディアで取り上げられ、それどころかYahoo!ニュースではトップにランクされてしまった。驚いたのはM高史本人だったようだが、周囲から「これは大きなチャンス」と言われ、本人も次第にその気になっていったようだ。

 しかし、彼の場合は、本来は「モノマネ」。それもアーティスト系が得意で、特にB'zやL'Arc~en~Ciel、平井堅などのマネはピカイチ。最近はディルアングレイにもチャレンジしているようだが、そのモノマネで注目されるのではなく、単に「顔が似ている」という程度のこと。ただ、そんなことで注目を集めるなんて、あまり前例がないかもしれない。

 しかも、今回の騒動以来「走る仕事の方が増えてしまって」と苦笑いする。「どっちにしても騒がれるのも今のうちですから頑張ります」とも。

 M高史は、駒澤大学時代に陸上部のマネジャーをやっていたほどのマラソン通で、モノマネ芸人として活動する一方で各地の大会にも出場してきた。その関係もあって女子マラソンの谷川真理選手と親交があった。川内選手とは谷川選手を通して親交があって、今回の騒動について埼玉県庁内では困惑気味だが、川内選手は「頑張って」と笑い流しているという。そういった意味では「本人公認」ということにもなる。

 しかし「この程度の話…」と思っていたら大間違いで、実は各地から引っ張りだこだと言う。10月6日に福島・会津若松市で開催される恒例の「会津若松市鶴ヶ城ハーフマラソン大会」では、何とPR大使にも起用され、同マラソン大会にもゲスト参加することが決まったという。会津若松市はNHK大河ドラマ「八重の桜」で盛り上がっているだけに「これから秋に向ってはM高史さんでも話題にしていきたい」と室井照平市長も大ノリだった。

 M高史は、「モノマネ芸人」として活動する一方で東京・秋葉原にあるアイドル系のライブハウス「AKIBAエンタメ★ステージ」の副店長も務めている。同店ではニコニコ動画の生放送をしていて、M高史は番組にも積極的に登場している。

 それにしても、芸人が芸人でない部分で話題になる。この程度のネタが話題になる。と言うより、芸人のM高史が市民アスリートの川内選手に「似ている」というのがネタである。M高史には「芸を磨いて…」と言いたい気分だが、正直言って芸能界もレベルが落ちたものだと実感する。ま、そうは言っても、冒頭でも書いたように、現実として箸にも棒にもかからない芸人が多い中で「一発でも話題になれば御の字」というのが芸能界。M高史が、この先、このチャンスをどう生かしていくかが今後の注目か…。

(渡邉裕二)

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