ローズキングダムが現役を引退してしまいましたね…。
GⅠ勝ちはジャパンカップと朝日杯ですが、ジャパンカップは繰り上がりの1着。実際にGⅠのゴール板を先頭で駆け抜けたのは、もう3年半も前の朝日杯のみでした。09年秋にデビューし、しっかり活躍したのは2年間ほど。以降は凡走を繰り返し、最近は「出るだけ」の状態が続いていました。
ただこの馬、実績以上に存在感があったと思います。09年デビュー組(当時の2歳馬)は“最強世代”として名高く、ここ数年の競馬界を牽引しました。その中にはドバイワールドカップを勝ったヴィクトワールピサをはじめ、アパパネ、エイシンフラッシュ、ルーラーシップ、ヒルノダムールなどたくさんの強豪馬がいますが、まず名前を思いつくのが不振続きのローズキングダムだから不思議です。
たぶん、ドラマ性では屈指の存在だったからではないでしょうか。名門ながらなかなかGⅠを勝てない「薔薇一族」の血筋で、ようやくGⅠ勝ち。クラシックは3戦とも善戦(4着、2着、2着)し、ジャパンカップは前代未聞の繰り上がり1着。あのブエナビスタ降着劇は競馬界でも大きな話題となり、降着制度の見直しにも繋がったほどです。
あの1~2年は、勝っても負けても常に話題の中心にいた馬だと思います。そのインパクトがあまりに大きかったのでしょう。不振に陥ってからも、馬柱に「ローズキングダム」の名があれば、それだけでレースが華やぐ稀有な存在だったと思います。
今後は種牡馬になる予定。キングカメハメハ、サンデーサイレンスという、現在の日本競馬界の2大主流の血を受け継ぐだけに、需要は限られてくると思いますが…あの非凡な能力と早くからの完成度の高さは魅力的なはず。種牡馬としても成功を収めてほしいです。
ちなみにダートはダメだったんですかね? 1回だけ走らせてみてほしかったです。