安田記念のロードカナロアには驚きました。直線でダノンシャークに迫られたあと、もう1度突き放した内容は「スプリンター」の枠を超えていました。ちょっと今までに見たことのないタイプの馬。もう、タイキシャトルと肩を並べるぐらいまで来ていると見ても良さそうです。秋の活躍にも期待したいですね。
さて、今日はインド映画の話です。夕方に、現在公開中の『きっと、うまくいく』が大ヒットという情報が入ってきました。すでに公開から3週目に入りましたが、土日(6月1日、2日)の動員が、初週対比で138%というから驚きです。すでに累計興収は4000万円を突破してしまいました。
昨年、ラジニカーント主演のインド映画『ロボット』が興収7000万円のヒットとなったことは記憶に新しいですが、順調なら『きっと、うまくいく』がこれを上回る見込みです。
この2つのヒットにより、日本におけるインド映画が「点」から「線」になったような気がします。
10数年前にシネマライズで『ムトゥ 踊るマハラジャ』が大ヒットした時は、残念ながらインド映画ブームは「点」で終わってしまいました。しかし、今回は立て続けにヒット。それに加え、『きっと、うまくいく』を観た人は、おそらく「歌って踊って」というインド映画のイメージが良い意味で覆され、「今のインド映画ってこんなに洗練されているんだ」と驚いたことでしょう。これが口コミで広がれば、「インド映画」の新しい客層獲得に繋がると思うのです。
実は『ロボット』のあとにも、昨年は『ラ・ワン』、『ボス その男シヴァージ』などが公開され、今年も3月に『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』が公開されました。これらは、いずれも面白いのに興行的には厳しい劇場が多かったようです。なので、「『ロボット』だけのヒットに終わってしまうのかな」と心配していました。
ところが、GWの『タイガー 伝説のスパイ』『命ある限り』『闇の帝王DON』の3本公開がスマッシュヒットとなり、『きっと、うまくいく』の大ヒットに繋がりました。「いよいよ来たな」という感じです。
私もいくつか鑑賞しました。『ロボット』や『ボス その男シヴァージ』の爆笑必至のハチャメチャアクションがあれば、『タイガー 伝説のスパイ』のハリウッド顔負けの大迫力アクション、そして心温まるヒューマンコメディの『きっと、うまくいく』。一方、インド映画王道の『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』と、実にジャンルが幅広く、しかもクオリティが高い。 昨年からまだ1本もインド作品を観ていない映画ファンに大きな声で言いたい。マジですごいんで騙されたと思って1本だけでも観てください!
インド映画は今後も続々出てきます。6月29日には、『スタンリーのお弁当箱』という作品が公開。これもひと味違ったハートウォーミングなドラマで、インドのお弁当箱の文化を興味深く見ることができる良作。
さらに10月には『マッキー(仮題)』という、ハエが主人公の異色作がスタンバイしています。自分を殺したマフィアに、ハエに生まれ変わって復讐を果たす物語だそうで今から楽しみです。
また、未発表ながら年明けにも1本公開されると聞いています。現在権利元と調整中という配給会社さんもありますし、先ごろ行われたカンヌ国際映画祭でもインド映画が盛況に取引されていたと聞きます。
個人的には、もう1~2本ヒットが出れば、完全に「インド映画」というジャンルが日本で浸透するような気がしています。この流れが断ち切れないよう、続く作品もどんどん当たってほしいものです。