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中国・上海で開催された大規模ファッションショー

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中国・上海で開催された大規模ファッションショー

2012年04月04日

 中国では最大級のファッションショーと言われる「TGCガールズコレクション」が先ごろ、上海市のメルセデス・ベンツ・アリーナで行われた。昨年5月に第1回目が北京で行われたが、第2回目の今回は会場を上海に移しての開催と言うわけだ。いずれにしても、今年は「日中国交正常化40周年」という節目の年だけに、関係者も「アジアの文化の架け橋になるようなイベントに育てていきたい」と言い、韓国も加え、初めて“日中韓”による合同ファッションショーが繰り広げられた。

 「TGC」と聞いて、あるいは「東京ガールズコレクション」の“中国版”と思う人が多いかもしれない。が、実は「Trend Going Concept」の頭文字を取った略語。中国では「ファッショントレンド元素」を意味するのだという。イベント自体は中国人民対外友好協会、中国紡績品商業協などが主催しているが、実際には「アンダーZグループ」という中国系企業が全体を仕切っている。このグループの総帥(会長)は周帆さん。この人、日本では酒井法子を中国に招いたことで知られている。

 言うまでもなく、周さんは中国の中枢に絶大な力を持っている。中国の最高指導者・胡錦濤主席はもちろん、習近平国家副主席とも親交が深いと言われ、鳩山由紀夫元総理や輿石東・民主党幹事長が習近平国家副主席と会談が出来たのも周さんの力があったとも言われている…。しかも、その会談というのも「TGCガールズコレクション」に合わせてセットされた? 

 そんなことから鳩山元総理はイベント会場に駆けつけ、「友愛の伝道師」と言いながら開会の挨拶に立っていた。

 さて、2回目となる「TGCガールズコレクション」は、中国の若者文化の情報発信基地でもある上海の開催となったわけだが、上海と言えば一昨年は万国博覧会が行われるなど、中国では香港と並んで国際的・文化的なイメージが強い。が、実は今回のようなファッションを中心としたエンターテインメントのイベントが行われたのは異例のことだという。周さんによると「中国では日本のファッションが注目を集めている。しかし、中国では一般向けのファッションショーはなかった。昨年の北京に続いて今回の上海と…中国では画期的なイベントだと言える」。

 しかも、今回のテーマは「ビューティフル・ドリーム、ビューティフル・ユー」。女の子たちの「可愛くなりたい」という夢の実現を基本的なコンセプトに繰り広げられた。何とも、中国とは思えないようなコンセプトだった。

 いずれにしても、ステージの方は日本からは元モーニング娘。の市井沙耶香を始め佐々木希や高垣麗子、道端アンジェリカ…。その他、中国、韓国からも有名、人気モデルが参加、総勢60組が自らのスタイルでステージを彩った。

 「前年以上に出場希望者が多く、参加者を選ぶのに苦労した」(関係者)というが、日本では有名でも、中国では知名度はイマイチと言った部分も…。

 というのも、最も盛り上がったのはファッションショーというよりもライブだった。中国で人気が高い日本のアイドル・グループ“w-inds”を始め、中国の女性ユニット“ラピッド”。さらには今年1月に日本でもCDデビューして人気急上昇中で、エステの最大手、スリムビューティハウスのCMなんかにも起用されている韓国歌手、キム・ヒョンジュンのライブ・パフォーマンスに人気が集まっていた。

 とにかく、会場で驚いたのは、お目当てのアーティストが出演し終わったら、ゾロゾロと帰ろうとすることだった。驚いたのはw-indsのステージが終わったらドッと帰り始め、終盤にキム・ヒョンジュンが歌い終わったら、会場は、もう嵐が去った後のように静まり返っていた。そういった意味で考えると、中国でのイベントは実に難しいかもしれない…。そういえば、昨年の北京に出演した日本でも大人気の某モデルは、会場から歓声がなかったことに「もう、中国でのイベントには出ない」と不満を口にしていたと言われる。いずれにしても、いくら中国が巨大なマーケットだからと言っても、それは甘く考え過ぎだろう。現実なんて、そんなものである。やはり、辛抱、継続か…!?

 因みに、同ファッションショーは年2回の開催を予定していて、ファッション、エンターテインメント面で中国と日本、そして韓国との関係を強固にしていきたいと言う。

 次回は9月8日に開催される。周さんは「これからが本番」と意気込んでいた。

(渡邉裕二)

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