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画期的に初の官民共同プロジェクトで「木下惠介生誕100周年記念事業」

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画期的に初の官民共同プロジェクトで「木下惠介生誕100周年記念事業」

2012年03月16日

 松竹と浜松市、小豆島町の3者は15日松竹本社内で記者会見、3者共同で「ひとつ木の下プロジェクト実行委員会」を組成し、今年12月5日で生誕100周年を迎える(故)木下惠介監督の生誕100周年プロジェクトの概要を発表したが、初の官民共同事業であり、その規模の大きさや多さから大きな話題となっている。

 これまで映画監督の100周年記念事業は、小津安二郎(1903年12月12日-1963年12月12日)、成瀬巳喜男(1905年8月20日-1969年7月2日)、黒澤明(1910年3月23日-1998年9月6日)、山本薩夫(1910年7月15日-1983年8月11日)らが行われているが、そのほとんどは監督作品の特集上映が中心。唯一、松竹が小津生誕90周年事業の一環で、ドキュメンタリー映画「生きてはみたけれど小津安二郎伝」(監督井上和男/岸恵子、司葉子ら出演/’93)を製作、上映した。

 今回の「木下惠介~」は、松竹、浜松市、小豆島町の3者が実行委員会により連携をとりながらもそれぞれ別々に事業を展開していく。

 松竹は、まず「二十四の瞳」(’54/すでにデジタルリマスター済み)と合わせて「カルメン故郷に帰る」(’51)「楢山節考」(’58)の2タイトルをデジタルリマスター化、東京国立近代美術館フィルムセンター(9月30日~10月28日)、東劇(11月~12月)、第13回東京フィルメックス(11月23日~12月2日)他で特集上映するのをはじめ、ニューヨーク、トロント、香港、ブエノスアイレス、モンテビデオ、メルボルンなど世界10都市の国際映画祭で上映。

 この他、「二十四の瞳」「カルメン故郷に帰る」「楢山節考」の初ブルーレイ化や映画作品のDVD-BOX、テレビドラマ「木下恵介劇場」「木下恵介アワー」の初DVD-BOX化などのDVD展開、衛星劇場やNHKでの放送、角川書店から関連本(「二十四の瞳」関連)の出版が計画されているが、メインとなるのが、テレビドラマ、映画、舞台の新作である。それぞれ “木下惠介” をテーマとした作品となる。映画はドキュメンタリードラマ。作曲家である実弟の木下忠司氏や脚本家で実妹の楠田芳子さん、木下監督の弟子である脚本家の山田太一氏らが企画の検討を重ねている。

 木下監督の生誕地である浜松市は、「木下惠介記念館」によるオリジナル映像制作(秋完成)や映画「夕やけ雲」の上映と木下忠司氏の楽曲で構成するコンサート(3月20日:アクトシティ浜松)、「木下惠介生誕100周年記念展」(秋)、メモリアル上映会(12月2日/クリエート浜松)等を実施する。

 映画「二十四の瞳」の舞台となった小豆島町は、文字通り “「二十四の瞳」” を全面に打ち出した事業を展開する。「二十四の瞳の丘」復活プロジェクトとしてロケ地となった城山公園内に石のモニュメントを設置(13年2月下旬完成)するのをはじめ、山田洋次監督らから寄せられた木下監督や高峰秀子さんらについてのコメントを展示する “二十四の瞳映画村「ギャラリー松竹座」” オープン(3月21日~)、島田歌穂主演、砂田晋平主演のミュージカル「二十四の瞳」公演(3月28日・30日・31日/小豆島オリーブ公園サン・オリーブホール)が行われる。

 この他、木村拓哉と香取慎吾が出演、木下監督の映画やドラマ(「婚約指環」田中絹代主演/「お嬢さん乾杯」佐野周二主演/「海の花火」津島恵子主演)を使ったサントリー「プレミアム・モルツ」の新TVCMが3月1日より全国でオンエアされるなど、今年は木下惠介イヤーの1年となりそうである。

(代表取締役社長:指田 洋)

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