2009年秋に起きたリーマンショック以降、映画の製作資金が集まらなくなったと言われて久しい。
そんな中で、その穴を埋めるかのようにキングレコード(株)の映画への出資本数が増えている。
2011年公開の邦画3社系作品では、「毎日かあさん」(小泉今日子主演/松竹配給)「ジーン・ワルツ」(菅野美穂主演/東映配給)「僕たちは世界を変えることができない。」(向井理主演/東映配給)等々で、今年は「わが母の記」(役所広司主演/松竹配給)、「劇場版SPEC~天~」(戸田恵梨香主演/東宝配給)、「LOVEまさお君が行く」(香取慎吾主演/松竹配給)「新しい靴を買わなくちゃ」(北川悦吏子監督/東映配給)等々で、「荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE」(林遣都主演/SPE配給)では製作幹事も務めた。
また、(株)ブロード・メディアやiae社と組んで小品の外国映画を配給したり、ティ・ジョイと共同配給でアニメや特撮映画も扱った。
同社は、ビデオ&DVDの販社であり、毎月メイン・タイトルからサブ・タイトルまで数本発売するため、数多くの作品を揃えなければならないが、それにしても本数が増えているのである。
同社の映像部門の統括責任者は、大月俊倫(おおつき としみち)専務取締役(アニメ・特撮企画会社ガンジス社長も兼務)。
言わずも知られた大ヒットアニメ「新世紀ヱヴァンゲリヲン」シリーズのプロデューサーである。
同シリーズは「新世紀ヱヴァンゲリヲン劇場版:シト新生」(配収11億円/’97)「新世紀ヱヴァンゲリヲン劇場版 Air/まごころを君に」(配収2億5千万円/’98)。復活版の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(配収20億円/’07)「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(’09)は興収40億の大ヒット。DVDはベストセラーを記録、マーチャン等も好稼働し、「ヱヴァ」の業績が評価され大月氏は同社の専務取締役にまで昇りつめ、現在、今秋公開の「ヱヴァ」の最新作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のプロデュースを手掛けている。
(代表取締役社長:指田 洋)