東映『はやぶさ 遙かなる帰還』完成
2011年12月26日
東映製作・配給の『はやぶさ 遙かなる帰還』(2012年2月11日公開)が、この12月21日完成、関係者に披露された。上映時間2時間16分、総製作費15億円を投じた大作である。
小惑星探査機「はやぶさ」を題材にした映画は、この東映作品をはじめ20世紀FOX映画、そして松竹と日本映画史上初めて3社が競作し、話題となった。
小惑星「イトカワ」から星くずを収集し地球の起源、宇宙の起源を探ることをミッションとした探査機「はやぶさ」は、2003年5月に打ち上げられ、数多の故障やトラブルにあいながらも2010年6月に地球に帰還し、日本中の感動を呼んだ。当初、この人気に8社がJAXA(宇宙航空研究開発機構)に映画化を申請したが、実際に実現したのは前記3社である。
この中で最も早くスタートしたのはFOXである。同社にとってはフジテレビと共同製作した「サイドウェイズ」(’09)に続く本格的な製作幹事第1弾作品「はやぶさ HAYABUSA」(堤幸彦監督)。竹内結子演じるJAXAの女性広報員の視点を通して描く“はやぶさ”プロジェクトで、上映時間2時間20分の大作であったが、今年10月1日に公開、関係者の期待も高かったが興収5億円に留まった。
松竹製作・配給の「おかえり、はやぶさ3D」(本木克英監督)は、6月1日クランクインと撮入は3本の中で一番遅かったが11月上旬には完成し、来年3月10日公開に向けて試写、宣伝活動がスタートしている。作品はFOX、東映と同様“はやぶさ”プロジェクトを描くのは同じなのだが、松竹版は、“はやぶさ”の前に実施し失敗に終わった火星探査機のぞみプロジェクトリーダーだった三浦友和とその息子ではやぶさプロジェクトのイオンエンジン開発技術者の藤原竜也との親子愛、家族の絆を描くことにポイントを置いているのが特長である。
対する東映版は、渡辺謙演じる“はやぶさ”プロジェクトリーダーを主人公に、はやぶさプロジェクトを正向方に描く“プロジェクトX”の映画版である。坂上順プロデューサーは「渡辺謙(主演兼映画プロジェクトマネージャー)、音楽・辻井伸行、監督龍本智行、はやぶさの4枚のジョーカー」で来年2月11日公開に向けてアピールしていくという。
(代表取締役社長:指田 洋)