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事件レポーターの奥山英志さんは死んでいた!?

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事件レポーターの奥山英志さんは死んでいた!?

2011年12月21日
 業界の残酷物語として語られ始めたワイドショー事件レポーターの奥山英志さん(享年61)。

 東日本大震災後…。4月に入って忽然と自宅マンションから姿を消して、行方不明になっていたが、ここにきて「今年4月に東京・調布の神代植物公園で首を吊った状態で見つかった遺体が、指紋などから奥山さんだった」ことが確認された。

 ここ1年ぐらい仕事もなく、さらに女性関係でも悩んでいたなんて言われているが、今のところ「遺書があった」という情報もなく、これだけ大騒ぎになっておきながら。8ヶ月もの間、亡くなっていたのが奥山さんだったことも確認できなかった…なんて、理屈を言ったらキリがないが、警視庁と神奈川県警の所轄の問題はあったとしても情報のやり取りも含め、実に奇妙である。

 だいたい、8月の目撃情報は一体、何だったのか? 「生きていて欲しい」という期待感もあったのだろう。とは言っても、誰と間違えて「目撃されていた」のか?とにかく、その目撃情報の時は、スポーツ紙以上にテレビのワイドショーで話題になっていた。きっと奥山さんも、苦笑いしているに違いない…。

 それにしても、ワイドショーのレポーターなんか芸能、事件モノを問わず所詮は水商売。現在のワイドショーの現状なんかも見たら実に不安定であることが分かる。現場も、いわゆる「社会情報部」という部署はどんどん世代交代もして若返っている。それこそ、レポーターなんかは、今まで指示だけを待って動いてきたかもしれないが、若者の間に混ざって自ら情報を集め、それこそ情報の発信源となってネタを売り込むか、テレビが無理なら、亡くなった梨元勝さんのようにネットを使ったビジネスを展開する以外ないのかもしれない。もはや他力本願ではやっていられないのが現実。明日は我が身である。

 実際に、レポーターの中には、奥山さんのように自ら命を絶つことはなくても、仕事の依頼が来ないレポーターは多い。ワイドショーと契約を交わしていても「仕事が回ってこない…」なんて嘆くレポーターもいる。奥山さんのような事件があると、ついつい「あの人、大丈夫かな…」なんて心配してしまったりする。

 最近、こんな相談があった。

 「○○さん、今、仕事がなくて困っているんだよ、何かネタをあげられないかな…」。

 「そういえば、最近、テレビで観なくなったよね。何やっているの?」。

 「やることがなくて、自宅なんかで待機状態みたいだよ…」。

 「これだけ、事件も多いのにね…」。

 なんて、ちょっと他人事に会話してしまった。

 実は、そのレポーター氏とは付き合いが長い。しかし、こればっかりはどうしょうもない。現時点では「レポーター廃業」もやむなしである。

 奥山さんの場合は、吉本興業に所属していたとは言え、10年前からテレビレポーターのレギュラーはなく、これまでイベントや結婚式の司会なんかをやりながら生計を立てていたようだ。

 川崎市内にあった自宅マンションは2LDKで家賃は11万円程度だったという。独身だった。結婚していれば何とかなったのかどうかは今になっては分からないが、歳をとっていけば生活を維持していくのは大変だったかもしれない。

 それにしても、奥山さんも亡くなった途端に、その功績を評価するような報じられ方になっていたが、そこまで評価しているんだったら、何で仕事を依頼しなかったのか…なんて思ったりもした。いなくなってから「惜しい人を亡くしました」はないだろうに。いずれにしても、ホンネとタテマエを分けるのも、ある意味で死者にムチを打つようなものだと思うけど…。

(渡邉裕二)

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