ようやく…。三回忌を前に藤田まことさんを偲ぶ会
2011年11月09日
人気俳優だった藤田まことさん(本名・原田眞=享年76)の三回忌で偲ぶ会が11月24日に東京・有楽町の東京国際フォーラム・ホールBで行われることになった。
藤田さんは、昨年2月16日に大阪の自宅で倒れ、大阪・吹田市の大阪大学医学部付属病院に搬送されたが、翌17日午前7時25分に大動脈破裂のため帰らぬ人となった。当時、葬儀は密葬で近親者のみで執り行われた。本来なら、その後に「お別れ会」や「偲ぶ会」というものが行われるはずだった。しかし、タイミングが合わず、「だったら…」ということで、藤田さんの78回目の誕生日に当たる今年4月13日に「偲ぶ会」が予定された。が、これも3月11日の東日本大震災のために開催は延期されることになってしまった。
そういったことから、生前から親交のあった芸能界など業界関係者はもちろん、政財界の間からも「まだ、しっかりお別れも出来ていない」といった声が上がっていたと言う。
しかも、そう言っているうちに、来年2月には三回忌を迎えてしまう。
10月の半ば過ぎのこと、俳優の京本政樹さんから「実は、知り合いに藤田まことさんの長女で原田敬子さんがいるんだけど、相談に乗ってもらえないか…」という電話があった。
原田敬子さんは現在、藤田さんの事務所「藤田まこと企画」の社長を務める。
京本さんが縁になって原田さんと会うことになったのだが、そこで原田さんは「三回忌の前に何とか父のために花道を作ってあげたかった」と、彼女なりの思いを語ってくれた。
結局、敬子さんの説明に「微力ながら…」ということになった。
開催に当たっては、森喜朗元総理や東京都の石原慎太郎知事をはじめ兵庫県の井戸敏三知事、元内閣官房長官の野中広務氏、芸能界からも森光子や黒柳徹子らが「発起人」となって、タイトルも「役者人生最後の花道」と決まった。「1人でも多くのゆかりのある方々と共に俳優・藤田まことの役者人生を偲んでもらい、最後の花道になればと思っています」と原田敬子さんは言う。
11月に入って、すでに2000人を超えるゆかりの人たちに招待状も発送された。
当日は、徳光和夫の司会で進行する。藤田さんの映像などで在りし日を偲ぶ。また、藤田さんの最後の映画主演作品となった「明日への遺言」で主題歌「ねがい」を歌った歌手の森山良子が、同曲を献奏することになっている。「ねがい」は、森山が映画主題歌としては初めて書き下ろした作品である。
♪闇と光をかけぬけながら 命は何を叫ぶだろう くり返す悲しみに負けないあしたに ねがいを 清らかなねがいを 青い星に…。
生前、同曲を聴いた藤田さんは「(劇中の)妻を思う気持ちや、妻が夫に対する愛情の深さを考えながら曲を聴かせていただきました。映画に合った素晴らしいもので、とても感動しました」と語っており、今回の偲ぶ会でのフィナーレを飾ることになった。また、終了後には同会場で出席者による献花も行われることになっている。
(渡邉裕二)