レディー・ガガ、今度は制作費8億円で自身のPVを監督!!
2011年05月11日
最新アルバム「ボーン・ディス・ウェイ」を5月23日に世界同時発売する米国の女性シンガー、レディー・ガガが、今度は自ら出演するプロモーション・ビデオ(PV)を初監督した。アルバムのメーン曲である「ジューダンス」を映像監督しているもので、これがマイケル・ジャクソン張りのエキサイティングなダンスを繰り広げている。しかも、驚くのは総制作費。マイケル・ジャクソン「チャイニーズ・デモクラシー」の14億円とは言わないが8億円という巨額な制作費を注ぎ込んだという。
数十年前は、日本でも小室ファミリーが数億円単位のPVを制作していた。最近では、X JAPANがパチンコ・メーカーのバックアップを得てロスで5億円のPVを制作して話題になったことはあるが、ガガは別格だ。音楽関係者の間からも「この時代にガガならではのバブリーな投資」と言われるほどとなっている。
この「ジューダンス」のPVは当初、アルバムの発売に合わせて公開を予定していたらしい。それが何者かによってリークされてしまったことからガガは急きょ、全世界での同時解禁を決めたと言う。さすが8億円もの巨費を投じて制作しているだけにガガにとっては重大な“情報の漏洩”だったかもしれない?
そのPVは冒頭、伝説の暴走族“ブラックエンペラー”を彷彿するような連中がバイクを走らせるシーンから始まる。ガガは、アクション映画やホラー映画に多く出演する俳優で「ダーバン」のモデルなども務めるノーマン・リーダスが演じる暴走族のリーダー?の男の後ろに乗るレディース風な役を演じている。もっとも、PV自体は、マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」的な雰囲気を漂わせるダンシング・ビデオに仕上がっているのが大きな特徴か。さすがマイケルをリスペクトし続けてきたガガらしいPVである。
もっとも、暴走族とかレディースと書いたが、このPVでガガが演じている人物というのはマグダラのマリアだそうで、関係者によると、マグダラのマリアとは「新約聖書中福音書に登場するイエスに従った女性で、正教会・カトリック教会の聖公会で聖人」だと言う。
ガガは、PVについて「フェリーニ風のパイク映画を狙った」とした上で「テーマと物語の芸術的表現方法として、私が演じているのは、現代のエルサレムにいる革命家である使徒達を街の中に導き、イエス・キリストに会わせるマグダラのマリアなんです。後は観てのお楽しみ。ただ、内容的には信仰を試すというよりは、それを称える意味合いの方が大きいかもしれない」。さらに「この曲は、自分自身を明るい場所へと導くために暗闇を称える曲。私自身、長い間自分の過去に怯えてきたこと、個性、それから誇り高くあること、そして『ありのままの自分』を伝えることに深く関係している」とも力説している。
彼女なりに制作に対しては深い拘りを見せている。
ガガは、このPVを、デビュー前から「姉さん的な存在」として慕ってきたクリエイティブ・ディレクターで、ガガの専属振り付け師であるローリーアン・ギブソンの全面的サポートを受けて制作したと言う。それだけに、イメージしていた通りの作品に仕上がったとし「自分のキャリアの中で最高にエキサイティングでアーティスティックな時間だった。私達のこれまでの最高傑作だわ」と満足顔だった。
それにしても日本の音楽業界は東日本大震災以降、全体的に萎縮してしまった感がある。そういった中、ガガは被災地支援にもいち早く反応してきた。そして、今度は自らのPVで話題を作っている。邦楽アーティストも学ぶべきことは多いかもしれない。
(渡邉裕二)