英国の音楽業界を席巻しているジェシー・Jが6月に日本上陸することになった。ジェシーは “英国版レディー・ガガ” の異名を持ち、英国では圧倒的な人気を誇っている。すでに日本では「人気絶頂の米A&B女性シンガー、レディー・ガガに強力ライバル!!」と話題になっている。英ロンドンでジェシーに会うと「ガガは素晴らしいが、私は私。彼女には負けない自信がある」と意欲を見せていた。
英国では今年最も活躍が期待されるR&Bの女性シンガーとして注目されている。今年2月28日にアルバム「フー・ユー・アー」で全英デビュー、同時に発売したシングル「プライス・ダグ」は1位にランク。早くも今年のブリッド賞の評論家推薦賞の受賞が決まり、さらにBBCが今年、最も期待しそうなアーティストに贈る賞「サウンド・フォー・2011」では1位を獲得しているほどである。
英国の音楽関係者に尋ねると、誰もが「今やレディー・ガガを抑え、破竹の人気となっている」と言うほど。この人気に、4月12日には全米でデビューしたが、全米ビルボード誌では初登場11位にランクされた。そして、今度は6月8日には日本デビューを果たす。
ところで、ジェシーとガガとではライバルと言う以上に、実は共通点も多い。
「共に英才教育を受け、デビュー前はお互いにソングライターとして活躍していた。また、シンガーばかりか舞台(ミュージカル)経験もあり、何より2人ともバイセクシャルで奇抜、ファッション界から圧倒的な人気を得ている」という。
ただ、ジェシーとガガとの大きな違いは、ジェシーは5年前の06年に東京で生活を送っていたことだ。ジェシーに、その点について訊ねると…。
「17歳の頃だったんですけど、日本でファッションの勉強をしていたの。東京・原宿の人気サロンでカット・モデルなんかもやったわ。とにかく日本は大好きなの。私は、日本食ではなくてもお箸を使って食べるのがマイブームなの」
そういったこともあって、今回の東日本大震災には大きなショックを受けた。
「被災にあった方々には送る言葉も見つかわないわ。だって、日本と言う美しい国が、大地震と大津波でこんな目にあうなんて想像もつかないんですもの」
と涙ぐんだ。
ガガは、震災後、いち早く白に赤い文字で「WE PRAY FOR JAPAN(日本の為に祈りを)」と印刷されたオリジナルのチャリティー用ブレスレットを制作し、1本5ドル(日本円で約400円)で販売、収益はすべて被災者救援に充てるなどの行動を起こした。ジェシーは、ガガの行動に「それがガガの素晴らしいところね」と評価したうえで
「まだ、私は日本で活躍する前まえなので、今は何も出来ないことが悔しいわ。でも、パフォーマンスは負けない。歌で日本を元気づけたい」
と言い、ガガの来日する予定の6月下旬の前に急きょ、来日すること決定した。
洋楽関係者は「日本では、ガガが人気あるだけに、ライバル心があるのかもしれない」という。それだけに、情報では「許されるなら被災地を訪問して、今の私の出来る支援をしたい」と意気込んでいると言うのだ。
福島第一原発が「レベル7」に引き上げられ、多くの海外のアーティストが来日を見合わせる中、ジェシーもガガも来日に積極的なところはソックリだ?
因みに、ジェシーは、ガガについて「現在のポップシーンのハードルを上げた素晴らしいアーティスト。彼女はシーンに刺激を与えたアーティストとして尊敬している」とし「日本でもガガを超えるシンガーになりたい」と意気軒高なところを見せていた。
いずれにしても、震災で萎縮傾向にある邦楽なだけに、洋楽が活気づくことは音楽業界にとっても大きな起爆剤になることは確かだろう。
(渡邉裕二)