松竹、東宝が「平成23年2月期決算(連結)」を発表
2011年04月22日
松竹と東宝の邦画2社が先週相次いで「平成23年2月期決算(連結)」を発表した。
東宝は、売上高1989億円(前期比1.4%減)、営業利益224億300万円(16.9%増)、経常利益231億7800万円(14.9%増)、純利益113億9900万円(44.7%増)と売上高は微減となったものの営業利益は歴代4位、経常利益は歴代5位、純利益は歴代1位と絶好調の成績を記録。また、併せて発表された高井英幸現社長から島谷能成専務取締役へのバトンタッチという社長交替人事も、現在の同社の盤石な経営基盤を構築した映画調整部担当の流れであり、リーディングカンパニーとしての同社のゆるぎない経営体質が発揮されたものとなった。
一方、松竹は売上高902億5400万円(3.2%減)、営業利益33億7100万円(2.3%減)、経常利益17億5700万円(10.5%減)、純利益7億900万円(0.8%減)と下期の映像部門や不動産事業が健闘を見せたものの昨年4月末の歌舞伎座閉場に伴う演劇事業の落ち込みが大きく減収減益となった。
次期(平成24年2月期)の連結予想も売上高809億円(10.4%減)、営業利益2億2000万円(93.5%減)、経常損失17億3000万円(前期・経常利益17億5700万円)、純損失24億6000万円(前期・7億900万円)と、前期に比べて100億円の売上ダウンが見込まれる厳しい業績となりそうなのである。その一つは、興収20億円は見込まれる山田洋次監督作品「東京家族」が1年延期になるなど映画配給部門の落ち込みや、本社の興行部門を統合した松竹マルチプレックスシアターズ(略称:SMT)のシネコンが震災の影響により数サイト長期営業休止など、減収が予想されている。演劇事業も看板俳優の休養など売上ダウンが見込まれており、同社にとって新歌舞伎座がオープンする2013年春まで厳しい経営が続きそうである。
また、東映は3月締めの決算であり発表は5月中旬予定であるが、全体としてはテレビ事業やアニメ部門等が好調であり、3月末には全社員を対象に期末一時金が支給された。