大森一樹監督が「超星艦隊セイザーX」(’05)以来5年ぶりにメガホンをとった日活=リベロ共同配給「津軽百年食堂」は現在、東京有楽町スバル座ほかで公開中だが、映画の製作元の同製作委員会(製作総指揮:川阪実由貴)では、映画の収益金の一部を3月11日に発生した東日本大震災の被災者と被災地の復興に役立ててもらうため寄付することを決めた。
映画監督のかたわら、現在、大阪芸術大学映像学部長を務める大森監督は阪神大震災の被災の経験を持ち、映画の撮影が弘前市を中心に青森県内でロケが行われたため、今回の寄付が決められた。
作品は、森沢明夫さんの同名原作(小学館刊)の映画化。明治時代から続く津軽そばの店「大森食堂」が舞台。東京で暮らし家業を継ぐことを拒む四代目・陽一が、父親の事故をきっかけに実家に戻ることを決意。東京で出会った同郷の人々と向き合い、初代から伝統の味を守る “百年食堂” を継ぐまでの、心あたたまる家族愛の物語。伊武雅刀、ちおん、福田沙紀、オリエンタルラジオの中田敦彦、藤森慎吾らが出演。
撮影は、昨年4月26日から3週間にわたって弘前市を中心に青森県内でロケが行われ、期間中のエキストラは延べ350名が参加した。舞台となった大森食堂は、実際に弘前市で創業以来100年にわたって津軽そばの味を守ってきた「三忠食堂本店」が使われ、他に明治時代から黒石市にある鳴海醸造店や写真館(矢川写真館)、弘前中央病院で行われた。
なお、弘前や黒石は歴史のある街であり、津軽ラーメン店の「来々軒」や大正元年に創業された「すごう食堂」、大衆食堂の「長崎屋」など、まだまだ “百年食堂” が営業されている。