テレビ朝日系のスペシャルドラマ「砂の器」(3月12・13日夜9時」の発表会見が9日、都内・同局で行われた。昭和を代表する推理作家・松本清張の同名小説が原作。主演した玉木宏は「過去に何度も映像化されてきた作品ですから。タイトルを見た時は緊張しました」と振り返った。
「砂の器」の映像化は、野村芳太郎監督の有名な映画版があるほか、テレビドラマ化は今回が5度目になる。物語の魅力を、玉木は「単に刑事が犯人を追いつめて事件を解決するというだけの話じゃない。戦後というものが背景にある重厚な人間ドラマ。世知辛い今の世の中に“家族愛”を伝えられれば」とアピールした。
戦後間もない昭和35年を舞台に、東京・蒲田駅で他殺体が発見された事件に端を発する感動的なサスペンス。過去の映像化とは異なり、若手刑事・吉村(玉木)の目線で描かれる。昨年12月より全国各地で約80日かけて撮影された。
中谷美紀、小林薫らが共演。主人公の恋人で新聞記者の洋子役を演じた中谷は「原作にはないキャラクターだけれど楽しくできた」と笑顔を見せ、ベテラン刑事・今西役の小林は「自分は足先からのど元まで“昭和”だから、撮影でも(環境に)困ることはまったくなかった」と笑わせた。作曲家・和賀役は佐々木蔵之介が演じる。