釜山レポート/「BIFCOM&AFPF」
2010年11月08日
◎アジア9ヵ国の映像産業と政策の現状、そして課題
世界中のフィルムコミッションと映像技術企業が各地域を広報し、最新技術動向などを紹介するマルチ展覧会、釜山フィルムコミッション(BFC)主催「第10回釜山国際フィルムコミッション&映画産業博覧会」(BIFCOM)と「第3回アジア映像政策フォーラム」(主催:釜山広域市、アジア・フィルムコミッション・ネットワーク〈AFCNet〉/共催:釜山フィルムコミッション/後援:韓国観光公社)が、去る10月9日~11日まで韓国・釜山の海雲台グランドホテル(下写真・左)と海雲台ノボテルアンバサダーホテルで開催された。 (※上写真はフォーラム閉幕式の様子)
9ヵ国49チームが参加したBIFCOMは10月9日午前中に開幕式が行われ、釜山市副市長やオ・ソクグンBFC運営委員長、日本からはジャパン・フィルムコミッション理事長の寺脇研氏らが出席。(下写真・右)
↑写真上はBIFCOM会場内の様子
今年は「All that 3D」をテーマに、「アバター」を乗り越える3D映画の未来が示され、映画産業と製作技術の現状を調べ、セミナーや技術の試演を通じて豊富な映画産業の情報が交流された。BIFCOMを通じて集められた全世界の映画産業情報は、スタジオ、ポストプロダクションなど、釜山映像産業のインフラ構築の主な戦略を決める際、重要な役割を果たしてきたが、今年は「マラソン」(05年)のチョン・ユンチョル監督が、BFCと立体映像文化技術共同研究センターと共同で製作した3D立体映画「アルファ・ケンタウリ」を発表。愛する女性を地球に置いたまま火星へ行った男の話で、「星から来た男」(08年)で見せたユンチョル監督特有の想像力が3D映画で表現されていた。
また、技術試演以外にも「3D立体映像のコンテンツの現住所と産業化のための方案」というテーマでセミナー(上写真)が開かれた。公州映像大学のク・ジェモ教授(上写真・左端)がモデレーターを務め、「ロード・オブ・ザ・リング」「アバター」のニュージーランドでの撮影を担当したリチャード・ブラック(上写真・中央)が「いい3D映画を作ることが大事。一緒に成熟する時間が必要だ」などと3D撮影の重要性と撮影時の有意事項について、ユンチョル監督(上写真・左から2番目)が「アルファ~」の製作時の経験について、「人間を描くドラマに挑戦、飛び出す効果よりは広がる演出を強調した」などと述べた。
放送分野では、SBSのキム・サンイル映像メディアチーム長(上写真・右から2番目)が、3D立体映像の送出方法論と今後の放送での3D立体映像の役割について、上映部分では㈱デジタルシネマオブコリアのカン・ジンモ システム運営チーム長(上写真・右端)が、デジタルシネマと3D映画の上映システムについて話し、「韓国は非常に速いスピードで3Dデジタル化されている」とした。
日本からは他に、福岡、広島、兵庫、北九州、神戸、京都、長崎、大分、沖縄、大阪、佐賀、札幌、下関の各フィルムコミッションが参加し、各地域での撮影誘致をアピールした。
夜には、姉妹都市であるニュージーランドのオークランドと韓国・釜山市が、映画・映像産業交流と発展を目指し、両都市のフィルムオークランドとBFCの間でMOUを締結した。(写真右)