東映配給「桜田門外ノ変」の初日舞台挨拶が16日、丸の内TOEI1で行われ、佐藤純彌監督、出演の大沢たかお、長谷川京子、加藤清史郎、渡辺裕之、生瀬勝久、中村ゆり、伊武雅刀、北大路欣也、主題歌を歌うalanが登壇した。
幕末の歴史の動きに大きな影響を与えた「桜田門外ノ変」。本作は、吉村昭の同名小説を原作に、襲撃の指揮を執った水戸藩士・関鉄之介をはじめとする襲撃者たちの、志を胸に事件へと至った過程、そして逃亡の果てに迎える運命を描いた大作時代劇だ。主人公・関を演じた大沢は、「主人公だからとかではなく、一映画人として、この作品に参加できたことを感謝している。自分はたくさんの命の上に生きていて、彼ら(桜田烈士)が無念であったか、そうでないのかは、僕たちの今、そしてこれからがどれだけ豊かになるかにかかっているんだなと感じる」と熱く語り、本作への想いを、「俳優をやって以来、忘れられない、そしてこれからの作品に対して、向き合い方が変わるような、とても大きな作品になった」と述べた。
そして、各キャストもそれぞれ撮影中のエピソード等を披露。関の愛人で、拷問に処されるいの役を演じた中村ゆりは、「撮影当日は28歳の誕生日だったのですが…、朝から水をぶっかけられたり、石を積まれたり、どんな誕生日なんだ!と打ちひしがれていました」と会場の笑いを誘った。また、襲撃に合う大老・井伊直弼役の伊武雅刀は、憎まれ役ながら「井伊の良いところをちょこっとご紹介。彼は、鼓や太鼓、詩や狂言も作ったり、大変多才な方だった。なおかつ、刀の腕も相当だった」とフォロー(?)し、「それを、水戸の野郎共に籠の中で刺されるって…実に無念でしたね(笑)」と自身の役柄に愛着を見せた。
さらに、水戸藩主・徳川斉昭役を演じた北大路欣也は「大変なお役を頂いて緊張しておりました。壮絶な事件があったのはたった150年前で、つい昨日のよう。色々信念が違うと人間は戦うもの。でも主人公が、守り切れなかった水戸藩士に哀悼の想いを捧げるわずかなシーンがあり、激しさの裏に、哀しい、つらさを抱えながらみんな生きていたんだなと、その美しい想いをこの映画で再確認した」と語った。