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時代劇はブームなのか?

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時代劇はブームなのか?

2010年10月15日
 今年の日本映画界は時代劇ブームなのだろうか。旧聞に属することだが今年の秋から正月にかけて作品を公開する松竹など5社が「サムライ・シネマ」と題する共同キャンペーンの展開を開始した。

 現在、工藤栄一監督の傑作を三池崇史監督がリメイクした「十三人の刺客」(東宝配給)や男女逆転をキャッチフレーズにした「大奥」(松竹=アスミックエース配給)がヒット中だ。今後も、16日(土)から東映配給「桜田門外の変」をはじめ、東宝配給「雷桜」(10月23日公開)、松竹=アスミックエース配給「武士の家計簿」(12月4日公開)、ワーナー映画配給「最後の忠臣蔵」(12月18日公開)が控えており、上半期に公開された「花のあと」(東映配給)、「必死剣鳥刺し」(東映配給)を含めると、今年7本の時代劇が公開されることになり、昨年の3本(「カムイ外伝」「GOEMON」「BALLAD 名もなき恋のうた」)、08年の2本(「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」)を超え、ここ数年では最も多い本数となっている。夫婦50割の定着など今の日本映画界は50歳以上の年輩者が支えていると言ってよく、時代劇が増えるのも必然と言えるかもしれない。

 一方、テレビは、民放1本(「水戸黄門」)、NHK2本(「大河ドラマ」「土曜時代劇」)のレギュラー週3本と最盛期の半分にも満たない量である。特に民放は、テレビ東京の正月時代劇を含め年間数本のスペシャルが制作されているが、これとて減少傾向にあり、ブームとは程遠い状況である。

 では、小説界はと言えば、司馬遼太郎、藤沢周平なきあと、宮城谷昌光(三国志)、乙川優三郎(生きる)、山本一力(あかね空)、山本兼一(利休にたずねよ)、和田竜(のぼうの城)、火坂雅志(天地人)、宇江佐真理(雷桜)らが直木賞など文学賞を受賞。佐伯泰英という文庫オリジナルながら「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズが累計数100万部を超えるベストセラー作家をも輩出していて、時代小説ブームをも巻き起こしているのだ。

 この時小説ファンにも支えられ、来年は和田竜の「のぼうの城」(アスミックエース/東宝配給)や、藤沢周平原作「小川の辺」(東映配給)、「ある侍の死(仮題)」等が映画化され、2011年も時代劇映画は増えそうである。


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