三谷幸喜、憧れアガサ超え感動!新春“超豪華”オリエント急行が発進
2015年01月07日
「テレビドラマの可能性が広がったんじゃないかな」。稀代のヒットメイカー三谷幸喜氏が、敬愛するアガサ・クリスティーの代表作に挑み、絶対の自信を示した。フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件」(1月11日、12日ともに午後9時)の試写会が5日、都内で行われ、キャストとともに登壇。「中学の頃に原作を読んで映画を観て、あの事件の裏にどんなことがあったのかずっと考えてきて、ようやく自分なりの考えが書けた。原作・映画ファンも必ず満足していただけるはず」と熱っぽく語った。
超豪華に2夜連続、計6時間に及ぶ三谷版オリエント急行がいよいよ発進する。第1夜は原作どおり、第2夜は完全オリジナルで脚本を書き下ろし。映画監督としても活躍する三谷氏だが「映画では成立しない。こんなに新春にふさわしい殺人事件はない!」と、自身の夢が前代未聞のスケールでかなったドラマに手応え十分。出演者一同も興奮隠せず、沢村一樹が「三谷さんが大好きだった原作を超えている」と言えば、主演の野村萬斎は「殺人事件でありながら大感動作!」と胸を張った。
舞台を昭和初期の日本に移し、ドラマ・映画の主演級がずらり。日本版名探偵ポアロとなる主人公・勝呂武尊(すぐろ・たける)を狂言界のプリンス・萬斎が演じるのをはじめ、オリエント急行を模した特急東洋の乗客役には松嶋菜々子、二宮和也、杏、玉木宏、沢村、佐藤浩市らかつてない顔ぶれ。車掌役は西田敏行。萬斎は「これだけの豪華キャストの取調べができ、本当に探偵冥利に尽きた」と満面の笑みを浮かべた。
萬斎の演技は三谷氏の期待以上。「異国人の雰囲気を飛び越え、異星人のよう」で、事件の真相に迫る長台詞は圧巻。萬斎は「しゃべるしゃべるしゃべるしゃべる。どこかの半(沢直樹)…に負けねえぞ」とニヤリ。松嶋が「本当に(台詞に)つっかえない。感動させていただいた」と激賞すると、二宮も「感動しました」と尊敬の眼差し。現場は和気あいあい、杏は「列車の中で自然と結束する感じだった」と微笑めば、破格のセットに電車好きの玉木は「スタジオの中に思えない空間だった」と語った。
原作を忠実に映像化した第1夜はもちろん、犯人視点で新たに再構築した第2夜で一層の深み。乗客がなぜ列車に乗り込んだかを描き出し、原作を上回る驚きと感動を呼ぶ。「古畑任三郎」を生んだ三谷ミステリーの真骨頂で、佐藤は「1セットに凝縮した人間ドラマ」とアピール。萬斎は「泣けます」と約束した。
第2夜の放送日は「成人の日」。試写会にはフジテレビ55周年にちなみ新成人55人を招き、三谷氏やキャストがエール。元日に東出昌大と入籍した杏は、自身の結婚には触れずも「20代ってすごく盛りだくさんて大変で楽しくあっという間と聞いていて、終わりかけ(28歳)になり本当にそんな感じだった」と感慨深げに語り、特別大きな拍手。萬斎は「失敗できる猶予はある。恐れずチャレンジして」と呼びかけた。
観客が「オリエント急行殺人事件!」と叫ぶと、おなじみのヒゲの形をした金色の紙吹雪が舞い散った。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。