山岸のオヤジも喜んだ! ザ・ノンフィクション「大勝軒」シリーズが映画に
2013年03月29日
フジテレビのドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」の人気シリーズで、ラーメン業界の神と呼ばれる、東京・東池袋大勝軒の主人・山岸一雄氏に迫った「ラーメンより大切なもの」が映画になり6月に劇場公開されることが29日、わかった。
タイトルは「ラーメンより大切なもの ~東池袋 大勝軒50年の秘密~」。10年以上の密着映像を再編集、新撮映像を加え、“日本一のラーメン”がスクリーンによみがえる。企画を立ち上げ山岸氏を追い続けてきた、印南貴史監督は「感無量。(山岸氏)本人もよろこんでいます」と笑顔で明かす。
日曜の昼に良質なドキュメンタリーを届ける「ザ・ノンフィクション」。1995年の放送開始以来、いくつも話題のシリーズを生んできたが、映画化に至るのは「HARUKO」(2004年公開)に続き2度目。山岸氏を追った「ラーメンより大切なもの」は、2002年、2005年、2011年と過去3回放送。反響を呼び、国際テレビ賞も受賞している。ラーメン屋のヒストリーではなく“大勝軒という生き方”の物語。
山岸氏は2007年に引退。西村朗プロデューサーは「その人柄からいまだにファンが多い。今回の映画化もそうしたファンの声で実現した」と説明。「例えばドラマ化するよりも圧倒的に迫力がある」と劇場で見るにふさわしいとし、「ラーメンに人生を捧げた男というと男目線で見られがちだが、これは“愛の話”です」。カメラは、死別した妻のエピソードなどに踏み込む。
ナレーションは、ラーメン好きの俳優・谷原章介が快諾し「これほど光栄なことはありません」。そして「行列店の元祖と言われる、昔の大勝軒の熱気みたいなものを皆さんに伝えられればいいと思いましたし、ラーメンよりあったかい、熱い山岸さんの人柄を感じてもらえると良いなと思います」と熱っぽくアピール。ラーメンファンだけでなく、老若男女誰でも楽しみ感動できる作品になっていると自信を示している。
エンディングテーマ曲は、久石譲氏が手がけた。西村プロデューサーは「『ザ・ノンフィクション』ならということで受けてくださった」。宮崎駿監督、北野武監督らの音楽を手がける世界的作曲家もまた、山岸氏に魅せられた。
テレビ用に収録した膨大なテープを再編集、あらたに山岸氏の故郷・長野の美しい情景などを加えた90分のドキュメンタリー映画。伝説のラーメン屋主人の生きざま、知らざれる真実を、さらに深く描き、人間を見つめる。6月8日より公開。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。