ピン芸人日本一決定戦「R‐1ぐらんぷり2013」は、三浦マイルドの圧勝で幕を閉じた。12日夜の関西テレビ・フジテレビ系生中継終了後、三浦は会場となった東京・フジテレビで優勝会見を行い「大変なことをしでかした。まだ信じられない」と興奮気味に喜びを語った。芸人の収入だけでは食べていけず、時給870円のアルバイトで生計を立てているという35歳。賞金500万円を手にしたが、「一部は寄付にも充てたい」と優しい素顔をのぞかせた。
三浦は、R‐1に2002年の第1回から皆勤出場、今年初めて決勝に進出した。スギちゃんVSキンタロー。で盛り上がる世間に対し「見とけよ」と密かに闘志を燃やし、晴れの舞台で笑いの才能を爆発させた。結果は、最終決戦で桂文枝ら審査員7人から満票を得る完勝。スギちゃんには「(三浦さんの)ネタはマイルドじゃなくワイルドだった。マイルドの時代かな」と言わしめた。
優勝の喜びを一番最初に伝えたいのは誰かと聞かれ、「やっぱり母ですね。女手ひとつで育ててくれた。芸人になるのも反対していて、これでやっと少し認めてもらえるんじゃないかな」と感慨にふけった。賞金500万円も「半分は母にあげたい」。親孝行だけでなく「社会貢献もしたい。(元プロボクサーの)坂本博之さんの(虐待に苦しむ子供たちを救う)活動に感動して、一度寄付をさせていただいたことがあって、もう一度寄付したいなと思います」と具体的なプランを明かした。
優しい素顔から一転、芸人としては「汚いネタ」が持ち味。この日も、人間の汚い部分をユーモラスに描写したネタ2本で爆笑をさらった。「これ、女子高生が相手だと全然ウケないです」と苦笑い。「自分しかできないネタをやろうと、そうしなければ生き残れないと思ってやってきた。自分が1番面白いと信じてきた」と胸を張った。そうして頂点に。「まったく大変なことをしてしまった。これからどうなるんだろうと、楽しみより不安の方が大きい」と、35歳にしては薄い頭を抱え哀愁を誘った。今後活躍が期待されるが、まずは関西テレビ・フジテレビ系で単発冠番組を手にした。
毎年恒例、第11回目となった「R‐1ぐらんぷり」。過去最多3684人がエントリーし、決勝には12人が進出。三浦が優勝し、ヒューマン中村とアンドーひであきが並んで2位に入った。昨年2位のスギちゃん、元AKB48前田敦子のモノマネで人気急上昇し注目を集めたキンタロー。は決勝まで残るも、ブロック戦で敗れ去り、来年の雪辱を誓っていた。