石原さとみ、井上ひさしさん遺作再演に気合い「大切に演じる」
2012年12月06日
女優の石原さとみが6日、舞台「組曲虐殺」(12月7日~30日/東京・天王洲 銀河劇場)の公開稽古に臨み、2010年に死去した劇作家・井上ひさしさんの遺作再演に気合いを込めた。共演者らが「井上先生は毎日劇場に見に来てくれるはず」と天国に向かって話すなか、「先生が命を削ってつむがれた言葉を大切に演じる」と誓った。
同作は、2009年10月に初演。その半年後に井上さんはこの世を去った。井上さんの生誕77年の今年、「井上ひさし生誕77フェスティバル2012」を締めくくるプログラムとして、石原らキャストそのままで再演される。
遅筆で知られた井上さんとあって、初演時は台本が完成したのが初日の4日前だったという。3年前を振り返り、石原は「バタバタで、気持ちも体もついていくだけで精いっぱいだった」。それだけに「どうしても再演したかった。ついにやってくる」と、翌日に迫った本番に期待をにじませた。
拷問の末に死去した、日本プロレタリア文学の旗手・小林多喜二の人生最後の2年9カ月を描く物語。タイトルには「虐殺」とあるが、世界的ジャズピアニスト・小曽根真の演奏に乗せた歌が劇中をにぎわせ、笑顔もあふれる舞台になっている。主人公・多喜二役は井上芳雄が演じ、ほか共演に山本龍二、山崎一、神野三鈴、高畑淳子ら。
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