劇作家・鴻上尚史が劇団「第三舞台」解散後初プロデュースする音楽劇「リンダ リンダ」の発表会見が8日、都内で行われた。80~90年代に一世を風靡したロックバンド「ザ・ブルーハーツ」の楽曲を題材にした作品で、2004年に初演。今夏に配役、物語も新たに8年ぶりに再演される。鴻上は「3・11を含めた今の日本の状況とロッカーが向き合う話になる」と“震災後”を描く決意を語った。
大手レコード会社にメインボーカルを引き抜かれ、存亡の危機を迎えたロックバンド「クール・パルチザン」の物語。ベースのマサオは解散を、マネージャーのミキは新メンバー探しを提案するなか、リーダーのケンはロックは永遠の反抗と息巻き「音楽じゃなくても行動できることはあるんだ!」と、現在立ち入りが制限されている“ある区域”に関する物騒な計画をぶち上げる……。
日本を大きく変えた東日本大震災の影響を強く受け、かつて大人たちに反旗を翻し続けたブルーハーツの歌とともに、舞台「リンダ リンダ」が復活する。鴻上は「8年前の初演の楽日からまたやりたいと思い続けていた。第三舞台を解散して、次に向かう最初の作品がこれで嬉しい」。作・演出ともに鴻上が手がける。
ロックバンド「SOPHIA」のボーカル・松岡充がマサオ役で、2004年に続き主演。「初舞台が8年前の『リンダ リンダ』で、あのころは舞台についてなにもわからなかった。8年の成長を舞台で実現したい」と意気込んだ。ケン役は伊礼彼方、ミキ役は星野真里。ほか、丸尾丸一郎、高橋由美子、大高洋夫らが共演する。東京公演は、新宿・紀伊國屋サザンシアターで6月20日~7月22日。以降、大阪と福岡でも上演される。