超大物2世が“平成の千春”役つかむ――。 フォークシンガー・松山千春の生きざまを舞台化する「旅立ち -足寄より-」(文化通信社主催)の主演最終オーディションが3日、都内で行われ、三浦友和・百恵さん夫妻の長男・三浦祐太朗(27)が主人公・松山千春役に決まった。応募823名の中から選ばれ「率直に嬉しいです」と晴れやか。「自信がないなんて言えない。持てる力を最大限発揮したい」と力を込めた。
松山のデビュー35周年に合わせ企画された舞台で、主演には松山役にふさわしいニューフェイスを全国から求めていた。最終オーディションには、書類審査、事前ライブ審査を通過した9人が進出。ギター弾き語りと演技力、自己PRで審査された。2世タレントが複数残り、また全国から強者が集うなか、三浦はバンド活動で培ったギターと歌を披露、初挑戦となった演技も見事にこなしてみせた。
23歳までという規定があったが、三浦は「どうしてもやりたい」と果敢に応募し、その能力の高さから特例で参加が認められた。オーディションを受けたのはこれが初めて。松山に近づくため、慣れないツーフィンガー奏法を短期間に猛練習でマスターする一方で、「千春さんのものまねはしたくない。自分なりの千春さんを演じたい」と意気込み、その姿勢が審査員から高く評価された。
両親にも弟・三浦貴大にも応募は秘密にしていたという。「誰にも言っていません。(受賞)会見をテレビで見てびっくりするんじゃないでしょうか。あとで電話で伝えます。まずは『実は受けていました……』と言うことになりますね」とニッコリ。「おめでとうと言ってくれるんじゃんいでしょうか。公演もぜひ見に来ていただきたい」と話した。
舞台は、松山が1979年に当時23歳で書き下ろした自伝的小説「足寄より」を原作にした感動ストーリー。2006年にはドラマCD化、2008年には映画化されており、ドラマCDでは塚本高史が、映画では大東俊介が、それぞれ松山役を演じている。三浦のほか、横浜出身の井上英樹(23)、青森在住の氣仙亮輔(24)の2名が審査員特別賞に選ばれ、主人公以外の役で起用されるという。
文化通信社の60周年事業となる。東京公演は、赤坂の草月ホールで7月30日~8月3日に予定されている。