PRODUCER’S LABOホームページ参照 ↑
やはり人材というのは凄く根源的なところで、もの凄く重要なところだと思うんですよね。例えば、ブログとかツイッターとか新しいメディアがこれだけ持て囃されていても、本当に映画のために活用できているのかというのは未知数じゃないですか。それをツールとしてこなせるような人が、そういう発想を持ってことに当たらないと、なかなかブレイクスルーしないんじゃないかと思います。当たり前のようにユーチューブがある環境下で、じゃあ映画ってどういうことなのとかということを、きちんと把握できる人が、私は次はやるべきだと思いますね。自分としてはそこに期待感があるし、そこはやらなければならないと思っています。たぶんお客さんが、映画がどこへ行こうとしているのか見えていないし、我々もお客さんが何を求めているのかよくわかっていないという相互にギャップがあって、それを埋める作業をしないといけないんじゃないかと思います。
当たり前ですけど、同じことをやっていたらみんな飽きるから、違う事を望みますよね。だから自分も違うことにトライしなくちゃいけないと思ってこの「チャンス イン」という会社を作りました。そこは常に投資なり、冒険なり、アイデア出しなり、いろんなことをする努力を怠ってしまうと、ジリ貧になってしまうわけじゃないですか。だけど、逆に期待感があるのは、そういう状況になってくると新たな冒険をしようとか、チャレンジをする人とか、新しい映画が出てくることが、今までの流れからしてもあると思っています。そこはあまり悲観的にならずに期待していきたいし、自分もそこで努力しなければいけないなと思いますね。
―願わくば起業してくれるような人材ですかね。
酒匂 それぐらいの気概がある人がいてくれていいと思うんです。自分がクロックワークスという会社を作り、今回、チャンス インという会社を作っていますから、ある意味会社を作っていくためのハードルとか、ノウハウとかを教え、本当にいい才能がいたらサポートしたい。よく聞くのは、最近はそういう若者がいないということですが、本当にそうなのかとも思うんですよ、接触していないだけで。世の中景気悪いと非常にコンサバ(保守的)になるので、新しいことよりも貯金とか、安定的な仕事がいいとか、全部世の常で、常にそういう時代はあったし、でもじゃあそれがずっと続くのかというとそうでもないと思いますけどね。絶対にやってやろうと思っている人はいると思うんですよ。
―この料金設定で運営していけるものですか。
酒匂 いま声優養成所を運営されているラムズさんのご厚意が大きいです。コスト的には教室代が一番かかるところなので。逆に言うとソフトウェアの部分は我々サイドで手配をするということですね。
―映像業界からの反応は出てきていますか。
酒匂 いろんなツッコミがありました(笑)。一番反応がいいのは洋画買付け体験ツアーですね。「自分も参加しちゃダメですか?」とか。でも、かなりちゃんとした人材をピックアップできないかと真剣に考えています。これからの受講生の人たちが、映画とか映像に対してどう接していて、どう思っていてなど、リアルな反応を知りたい。業界の皆さんも想定はされているし、それなりに意見は聞いていると思うんですけど、やはり突っ込んで聞いてみないと、なかなか見えてこないことが多いですよ。
就職支援の理想と現実
―就職支援もされていくということですが、とは言ってもいま映画業界は厳しい状況でもあります。就職先がなかなかないのではないですか。
酒匂 今はそこが凄く厳しいですね。ただ、ニーズがあるところにはあるので、希望される皆さんがより好みや贅沢をしなければ、チャンスはあると思うんです。そこのうまいマッチングをお手伝いしたい。もちろん自分が学生だった時のことを考えると、どうしても名前が知れているところとか、コンサバなところは良さそうに見えちゃうんですよね。でも逆に言うと、本当のところはわからないけど、その会社の評判とか経営者の人柄とか、特にこの業界の中のことであれば、ある程度助言は出来るじゃないですか。それをわかった上でトライをするのと、そうじゃないのとは全然違うと思うんですよ。たぶん彼らの知らない仕事も沢山あると思うので、そういうところを支援していきたいですね。
(次ページへつづく)