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110度CS事業者認定‐直前予想!!!

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110度CS事業者認定‐直前予想!!!

2012年02月09日
 いよいよ明日2月10日(金)、新たな110度CS放送事業者が決定する。帯域拡大する事業者も含めて、その数はHDTV(16スロット)6チャンネル程度、SDTV(6スロット)数チャンネルと予想されている。諸検討から始まって2~3年になるだろうか――。96スロットの空き帯域をめぐり、昨年8月19日から申請受付し9月末に締め切って、33社59チャンネル(HDTV31社36チャンネル、SDTV20社23チャンネル)が手を上げた。高い競争率だ。4ヵ月余を経て、明日の午前10時過ぎ、ようやくすべてが決まる。

 この直前に、どこが認定されるか、難しいところだが予想してみたい。認定比較審査基準等を踏まえながら業界関係者の予想も交えてみる。既に「日刊文化通信速報」(放送版)平成23年9月2日付で有力視されるチャンネルを掲載したが、基本的にそれと大きく変わってはいない。

 まずは、(株)C‐TBS「TBSチャンネル」、(株)CSワンテン「テレ朝チャンネル」、(株)GAORA「GAORA」、(株)スカイ・A「スカイ・A」、日本映画衛星放送(株)「時代劇専門チャンネル」が有力視されている。いずれも人気チャンネルという条件下の中で候補として名が挙がる。

 「TBSチャンネル」は、BS放送に移行して空くディズニー・チャンネルの帯域(6スロット)と合わせて12スロットを返上するため、審査基準の優先条件等にあって、HDTVの帯域を確保できることから有力的だ。「テレ朝チャンネル」も同様に、ジャスト・アイ インフォメーションがあった6スロットの帯域と、保有している空き帯域を合わせて12スロットを返上するため「テレ朝チャンネル」は当確と云われている。「GAORA」と「スカイ・A」はともに人気コンテンツのプロ野球中継を持つため、HDTVになる可能性が高い。J SORTSのBS放送移行の際、同じ委託放送事業の会社にあった中で、帯域返上したことも考慮にあるのではないだろうか。「時代劇専門チャンネル」は、その貴重かつ唯一のコンテンツも踏まえれば、高画質化へ少なくとも帯域拡大されると目される。「時代劇専門チャンネル」は新BS放送の際に申請したが落選しており、今回そのリベンジだ。

 一方、プロ野球中継の観点から、(株)CS日本の「日テレプラス」はどうか。今シーズンより福岡ソフトバンクの主催ゲームを中継することになった。そのためHDTVが有力視されるが、12スロットの帯域返上はしていない。とはいえ、プロ野球中継は衛星放送においてニーズが高い。プロ野球全てが視聴できる、スカパーの“プロ野球セット”は契約率が高い。HD放送で視聴できないままにすることは考え難いと想像されるが…。

 そのほかにも、囲碁・将棋チャンネル、KBS World、音楽系、映画系のチャンネルの名が挙がる。「釣りビジョン」がBS放送で決まったことを考えると、今回110度において新規チャンネルとなる「囲碁・将棋チャンネル」が同じ趣味系ジャンルで、かつ、そのファンの人口数という点でも、認定が有力視され6スロットでと予想されている。韓国・アジア系はこれまで110度CS放送にないジャンルで、「KBS World」「Mnet」「KNTV」「アジアドラマティックTV」らが申請したが、巷間「KBS World」が一つ抜けていると見られているようだが…。ちなみに申請者は(株)C‐TBS。

 もちろん、このほかにも多くのチャンネルの名前が挙がっている。だが、容易に判断が難しい。申請後、事業者は数回にわたり総務省担当者に呼ばれ、ヒアリング、書類の不備による再提出、開始時期変更も想定した収支計画の見直しなどの諸手続きもあった。総務省も事業者も大変な心労にあって、明日を迎える。適正な判断のもと、事業者も納得のいく形での認定結果となることを願うしかない。

(戎 正治)

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