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東映、純利益は減益ながら全体的には好決算

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東映、純利益は減益ながら全体的には好決算

2011年08月15日
 東映が、12日に発表した「平成24年3月期第1四半期連結決算短信」(平成23年4月1日~6月30日)は、売上高が8.1%増の267億8700万円、営業利益が6.1%増の24億8900万円、経常利益が7.3%増の30億7800万円と増収増益を計上したものの、四半期純利益は8.2%減の11億3100万円と減益となった。

 この減益の主な要因は、映画興行だ。今年5月に松竹、東宝、ティ・ジョイ共同経営の大阪ステーションシティシネマが開業し、12スクリーン増加の合計194スクリーン体制(東映(株)直営館4スクリーン含む)となったが、東日本大震災の影響による全般的な興行の低迷により営業利益が100万円と前期比99.8%の減益となった。

 その他のセグメントは、映像関連事業部門では、映画製作配給業の『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(4月公開 興収13億2千万円)『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』(6月公開/9億円)がヒットした他、『おみやさん』『遺留捜査』等の制作などテレビ事業、『ワンピース』『スイートプリキュア』のアニメの国内版権事業が好稼働した。

 催事関連事業部門は、映画連動イベントの「手塚治虫のブッタ展」や「仮面ライダー」をはじめとするキャラクターショー、東映太秦映画村等が好調な成績をあげ、売上高は減収(5.2%減)となったものの、営業利益は5.2%増となった。観光不動産事業は、不動産賃貸業が「新宿三丁目イーストビル」など堅調に推移したが、ホテル事業が震災の影響もあり厳しい状況で減収(4.0%減)、減益(15.0%減)となった。

 同社の場合、これまでテレビ事業、催事関連事業、興行業が安定した収益を計上し、映画製作配給事業とホテル事業が課題とされて来たが、第1四半期は震災による全般的な興行の低迷を除くと、映画製作配給事業も全体的には好稼働し、今回の決算となった。

 しかし、同社の映画部門はここ数年、「仮面ライダー」シリーズやアニメの「プリキュア」シリーズ、「ワンピース」等に支えられ、一般実写映画が低迷しているのが現状だ。『劔岳 点の記』(25億8千万円/’09)『相棒—劇場版Ⅱ-警視庁占拠!特命係の一番長い夜』(32億円/’10)に続く一般実写映画のヒット作が待たれるところだ。

(代表取締役社長:指田 洋)

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