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未体験ゾーンの映画たちで傑作おでまし『ランダム 存在の確率』(vol.244)

平池記者の「競馬ときどき映画」

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未体験ゾーンの映画たちで傑作おでまし『ランダム 存在の確率』(vol.244)

2015年01月09日

現在ヒューマントラストシネマ渋谷で開催中の特集上映「未体験ゾーンの映画たち2015」で、傑作が間もなく公開されます。

タイトルは『ランダム 存在の確率』。ポスターには“今年No.1 SFスリラー”とか“あなたの脳はついてこられるか?”と仰々しい文言が並んでいますが、まあ本当に凄いですからぜひ見てください。私は配給会社さんから一足早く見せてもらい、ビックリしました。

量子力学の「シュレーディンガーの猫」という思考実験をご存じでしょうか。かくいう私はこの映画を見るまで知りませんでした。色々難しい理論なので、私が理解した範囲でざっくり書きます(合っているか微妙ですが…)。

ある箱に、猫を入れます。その箱の中は50%の確率で毒ガスが放出されます。一定時間後に箱を開けるまで、猫の生死は五分五分です。実際には結果が出ていますが、自分が箱の中身を確認するまでは、「猫が生きている状況」と「死んでいる状況」の2つの状態が存在している。これが「シュレーディンガーの猫」だそうな。ようはパラレルワールドの世界です。

その「シュレーディンガーの猫」からインスパイアされたのがこの映画です。ある彗星が地球に接近する夜、男女8人がホームパーティーをしていると、突然部屋が停電に。慌てて外に出ると、まったく同じ家に住む、まったく同じ8人が同じ空間に存在するという事実を目の当たりにしてしまいます。

短絡的な思考の私は、お互いが殺し合うサスペンスでは?なんて予想していましたが、いやいやとんでもなかったです。さすが数々の映画賞で受賞しまくっている話題作。パラレルワールドの交錯を巧みに生かした展開で、観客の脳内をごっちゃごちゃにかき混ぜてくるストーリーです。「え?じゃああのシーンではすでに…」なんて背筋が凍るようなものばかり。

たった8人しか出演者がおらず、有名な人もいない。パーティーをしている家と、その敷地の周りでしか撮影していない低予算映画なのに、ここまで世界観に広がりがでるとは驚きですよ。設定と脚本が抜群なんですね。

一つ注意をしておくと、上映時間約90分中、冒頭の15分はものすごく退屈です。8人がパーティーでただ世間話をしているだけ。「なんだかな~」という感じでした。でも、結末を知ってしまうと、すでにその冒頭から異変が起きていることに気づきます。なので、パーティーの場面から気をそらさずに見ていてください。

とてもオススメな1本。公開は1月24日(土)からです。お見逃しなく。



では、金曜日なので恒例の競馬予想。今日はシンザン記念です。頭数が少ないので面白味に欠けますが、堅くても確実に当てておきたいところ。本命はレンイングランドとします。出走馬の過去のレースを見ると、まあ見事にみんなスタートが悪い。一方、今の京都は内枠・先行馬が圧倒的有利な状況です。ここは、4番に入った逃げ馬レンイングランドに分がある印象。1200mでもハナを奪えるダッシュ力がありますし、4角から後続を引き離して逃げ粘った前走の内容は、今の京都に合うと思います。距離は微妙ですが、枠や展開を味方につければ上位を狙えるでしょう。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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