映画業界団体のMPAが、10月に都内でフィルムワークショップを開きました。
「ワークショップ」とか「セミナー」とか聞くと、何やらおカタいイメージ。記事を読むにも、面倒な印象があります。
でも、このフィルムワークショップはなかなか面白いです。特にメインのイベントである「シノプシス(あらすじ)コンテスト」が非常に興味深かった。
事前に、自分で考えた映画のあらすじを募集したところ、128作品の応募があり、その中から30作品が選出されました。
コンテスト当日は、その30作品の作者が出席。新城毅彦監督をはじめとした審査員に向けて、「どんな作品か?」をプレゼンしました。そして最後は優秀8作品による決勝戦。審査員や出席者、マスコミなど全員の前で、作者8人が順にプレゼンしていったのです。
いや~色々あって面白かった。グランプリを受賞した、女形役者を描く『時次郎』はもちろん、展開の広がりが抜群だった『じじいラッパー』、先生に利用されるアサシン女子高生を描く『先生のお気に入り』、新宿駅東口で起きたある事件が日本全国を巻き込んだ騒動になるサスペンス(タイトルなし)など、「映像にしたら楽しいだろうな」という作品ばかり。
特徴的だったのは、8本中4本が時代ものだった点。さらに3本が実際にあった出来事から着想を得ていたこと。何となく、今の若い人たちの映画作りのトレンドが見えたような気がしました。今回は第1回ですが、MPAは来年以降も継続して開催する考えのようです。積み重ねていくうちに、傾向が変わっていく様子なども窺えるかもしれませんね。
この催し、すでにアジアでは実績があり、06年の北京開催で最優秀作品を受賞したシュエ・シャオルーさんの『海洋天堂』は、実際にジェット・リー主演で映画化され、日本でも11年に公開されました。シャオルー監督はその後にアメリカとの合作『ファインディング・ミスターライト』という作品を手掛け、中国で大ヒット。すっかりトップクリエイターに成長したそうです。
さて、日本での開催から同様にヒットメーカーは生まれるのでしょうか。『時次郎』でグランプリを受賞した大迫さんは、来年秋にハリウッドに行って、プロデューサー陣にプレゼンする機会が与えられるそうです。
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