ダート競馬の雄、エスポワールシチーが、次走のジャパンカップダートを最後に引退することが発表されました。すでに8歳も後半。まだまだ活躍できそうですが、潮時ということでしょう。JRAのホームページで同馬の戦績を眺めていましたが、いや~物凄いですね。どんな相手でも常に上位争いを演じています。
しかし、その戦績からハッと気づいたのですが、近年のダート競馬界の「勢力図」というか、「歴史」が凝縮されているのです。
エスポの素質が開花したのは、芝からダートへ路線を転換した3歳の秋。これが2008年です。この頃は、当時のダート王者ヴァーミリアンに加え、屈腱炎から奇跡の復活を果たしたカネヒキリがトップに君臨し、サクセスブロッケンあたりが台頭し始めた時期です。
エスポは、当初これら一流馬との戦いでは分が悪かったものの、完全に本格化した翌2009年の春からは次々と強豪を撃破。カネヒキリやヴァーミリアンらに引導を渡しました。
さあこれからエスポ時代、となるはずでしたが、2010年秋のアメリカ遠征で体調を崩し、快進撃を続けていた時ほどの勢いは影を潜めます。
エスポ不調の2011年頃に台頭したのは、ダート界のサイレンススズカとも言われたスマートファルコンと、ドバイワールドカップで2着したトランセンド。一時は、エスポも含めて「3強時代」などと言われたものです。2011年のJCダートで3強が対決するはずでしたが、スマートファルコンが回避して結局実現せず。
客観的に見て、この時1番強かったのはスマートファルコンのように思います。エスポも何とか上位に入って存在感を見せていましたが、以前の力は戻らず、3強の中の3番手評価。引退も近いのかなとボンヤリ考えていました。
ところが、エスポはここからが凄かった。スマートファルコンが引退し、トランセンドが不調に陥り「3強」の図式が崩壊。ダート戦国時代に入った後も、5連勝中の上がり馬ローマンレジェンドとエルムS(2012年8月)で壮絶な叩き合い、9番人気ながら驚異の粘りを見せて2着に入ったフェブラリーS(2013年2月)など、新勢力に対して大きな壁となって立ちはだかりました。
そして、これからダート界を引っ張るであろう新王者ホッコータルマエを10月の南部杯で完封。11月のJBCスプリントも堂々たる競馬で快勝しました。ここにきてG1を2連勝とは恐れ入ります。
1~2年おきにガラリと変わる勢力図の中で、常に「トップ数頭の中の1頭」に名を連ねていたエスポ。さしづめ「ダート界の生き字引」と言えるでしょう。いよいよラストランというのは寂しい限りですが、最後もしっかり走り切り、無事に現役を終えてほしいです。
さあ今週末はエリザベス女王杯。混戦過ぎてまだ予想は決めかねていますが、トーセンアルニカには注目しています。