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福永祐一、今回の菊花賞がターニングポイント (vol.78)

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福永祐一、今回の菊花賞がターニングポイント (vol.78)

2013年10月17日

今週末は菊花賞。近年は荒れるイメージが強いレースですが、私の本命はすでに決まっています。エピファネイアです。

…別に面白くも何ともない予想で申し訳ない。ただ、穴狙い方針の自分としては、折り合いに不安があるにも関わらず、単勝1倍台が予想されるエピファはハイリスク・ローリターンの美味しくない馬。バンデあたりを狙っていく方がよっぽど楽しいわけです。

では、なぜ本命にするのか。それは、鞍上の福永祐一騎手にとって、この菊花賞が、騎手人生のターニングポイントになるくらい重要な位置づけだと思うからです。

前走・神戸新聞杯のインタビュー時、福永騎手はこう語っていました。「エピファのようにパワーのある馬を制御できない限り、超一流馬を乗りこなすことはできない」。

福永騎手は通算1500勝し、すでにG1も16勝している一流ジョッキーです。しかし、G1の中でも最重要とされる牡馬クラシックや天皇賞、ジャパンカップや有馬記念は勝っていません。牝馬限定戦や短距離では鮮やかに勝ちますが、肝心の重要G1ではワンパンチ足りないのが現状です。昨年、日本ダービーに1番人気ワールドエースで臨みながら、4着に取りこぼした点などが最たる例でしょう。

それは本人が1番よくわかっていることです。それだけに、将来日本のトップを狙える素質馬・エピファネイアに懸ける意気込みはただならぬものを感じますし、先のインタビューのコメントに繋がったのでしょう。

以上のような背景がある中で臨む菊花賞。福永騎手にとっては「1着」しか意味がありません。牡馬クラシックを1番人気で勝つ。これは、真の一流ジョッキーならクリアしなければいけない壁です。シンボリルドルフの岡部幸雄、ディープインパクトの武豊、キングカメハメハの安藤勝己。彼ら「超一流」に福永騎手が肩を並べるためのスタートラインに立てるかどうか、この分かれ目が今回の菊花賞です。

さて、エピファにとっての死角は何か。個人的には2つあると思います。

まずは、先述した通り、折り合いへの不安です。道中で余計な体力を使い、直線で失速してしまうパターン。福永騎手は、エピファをがっちりと制御し、好位置で競馬をすることができるのかどうか。もしダメならそれまでの騎手ということですし、乗りこなして勝つようなら、エピファ&福永時代の到来、来年は凱旋門という話も出てくるでしょう。

もう1つの懸念点は、菊花賞によくある、人気薄先行馬の逃げ粘り。折り合いに専念する余り、前を捕まえきれないパターンです。しかし、今回は「ペースが遅くて…」なんて言い訳は通用しません。自分から前を捕まえにいって、後続もねじ伏せる。これが王者の競馬です。もしそれができずに3冠全てを取り逃がすようなことがあれば、次走のエピファの背中には外国人ジョッキーが乗っていることでしょう。

とにかく、福永騎手には凄まじいプレッシャーがのしかかります。別に自分は福永騎手のファンでも何でもないですが、今回は応援したい。「がんばれ~」という感じではなく、「負けたらアウトだぞ!? 絶対勝つしかないぞ!」という、はっぱをかけるイメージです。

というわけで、迷わずエピファが本命。この文章を書いている段階では枠順も発表されていませんが、例え大外でも考えは変わりません。ターニングポイントを迎えた福永騎手と心中します。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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