11月末に公開される映画『ザ・コール 緊急通報指令室』を試写で観ました。小規模な公開ではありますが、これが傑作だったのでちょこっとご紹介。
舞台は、ロサンゼルスの「911(日本の110番)緊急通報指令室」。主演のハル・ベリーは、ここのベテランオペレーター・ジョーダンを演じています。
以下は簡単なあらすじ。
ある日、ジョーダンは若い女性からの通報を受けるが、わずかなミスにより悲劇的な結末を迎えてしまう。そのショックから立ち直れず、一線から退き、教官として過ごすようになる。
それから半年後。ケイシーという少女から指令室に緊急電話が入る。電話を受けた若手オペレーターは経験が浅く、事態の深刻さに戸惑ってしまう。その後ろでたまたま話を聞いていたのがジョーダン。彼女は一瞬躊躇するものの、若手オペレーターから電話を受け取り、少女を助けるべく、再び事件に立ち向かう―。
キム・ベイシンガー主演の『セルラー』という佳作映画がありましたが、それと似た内容です。ハル・ベリー演じるオペレーターが、車のトランクに閉じ込められた少女ケイシー(アビゲイル・ブレスリン)を、電話1本で救い出そうと奮闘します。
とにかくスピード感が抜群。刻一刻とケイシーに危険が迫る中、次々と指示を出し、時には励ましながら、何とか救出の糸口を探るジョーダン。ケイシーを乗せて疾走する犯人の車。ドンドン緊迫感を煽ってくるBGM。前半1時間は「息もつかせぬ」という表現がピッタリの展開。
特に、ケイシーが逆探知しにくいタイプの携帯電話を使っているため、すぐに見つからないのがミソ。捕まっている車両を特定するべく、ジョーダンが様々な策を講じるのですが、それが実にユニーク。もし自分がトランクに閉じ込められたらやってみようと思います。
あと、ジョーダンとケイシーの絆にはちょっと感動させられます。半年前に犠牲になった少女とケイシーを重ね合わせ、今度こそ救おうとするジョーダン。ジョーダンを信じて忠実に指示を実行するケイシー。「私たち2人で戦う」という力強い台詞に、なぜかこっちまで勇気づけられてしまいました。
最後の30分は少し惜しい感じもあるのですが、そこは映画なのでご愛嬌。でも、結末はちょっとニヤリとしてしまいます。
上映時間は94分とお尻に優しい長さ。サクッと観ることができる、この冬オススメの1本です。