外国映画を観る際、私の場合はほぼ必ず字幕版を選択します。やはり役者さんの生の声を聴きたいですからね。
ただし、ごく一部の俳優さんだけ、「吹き替えで観たいな」と思うことがあります。テレビの洋画劇場で観た『ターミネーター』『プレデター』のシュワちゃん、『ダイ・ハード』のブルース・ウィリス、『ビバリーヒルズ・コップ』のエディ・マーフィなどがそうです。同じ感覚の洋画ファンの方は、けっこう多いのではないかと思います。
この欲求を満たしてくれるブルーレイソフトシリーズが発売されていることをご存じでしょうか。その名も「吹替の帝王」というんです。
テレビの洋画劇場で観た、我々が慣れ親しんだ、あの声の吹替版を収録した素敵な商品。しかも声優さんの台本が付くという、心憎い商品構成です。
この「吹替の帝王」シリーズで、マイフェイバリット映画の1本『ダイ・ハード』が発売されたので早速観ました。もう最高です。
私の場合、『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスの声のイメージは、野沢那智さん(日曜洋画劇場)で固定されており、もちろん野沢さんバージョンで観てみました。いや~本当に懐かしい。「マクレーンの声はこれでしょ!」てな感じで、台本と照らし合わせながら映像に見入ってしまいました。
この「吹替の帝王」シリーズは、複数の吹替が収録されているのが特長です。『ダイ・ハード』の場合、野沢さん以外にも、村野武範さん版(ゴールデン洋画劇場)と、樋浦勉さん版(DVDなど)が入っています。
せっかくなので3バージョンを比較しながら観てみると、まあ面白いですね~。吹替が変わるとこんなにイメージが変わるのかと。3氏ともべらんめえ口調なのは一緒ですが、村野さん版が最も「正義のヒーロー」っぽいダンディな声。野沢さん版は酔っ払ったような、テロリストを見下したような余裕の口調。樋浦さん版は少し枯れたようなカッコイイ声。
本当のジョン・マクレーンの声を聴くと、個人的には野沢さん版が一番近いかなという印象ですが、どれも言っている台詞、トーンが違うので興味深く比較することができました。(3バージョンとも台本が入っているか凄い!)
とにかく、約20年前にテレビで『ダイ・ハード』にハマった人には、とてもオススメの商品。ぜひチェックしてみてください。欲を言えば、淀川長治さんの解説が収録されていれば、より当時の雰囲気が再現されて良かったかなと思います。
余談ですが、やっぱり『ダイ・ハード』はめちゃくちゃ面白いですね。『4.0』や『ラスト・デイ』のような無敵のスーパーマンぶりも好きなのですが、久しぶりに『1』を観て、その凄さを再確認。普通のオッサンが、ボロボロになりながらも機転を利かせてテロリストたちを一人一人やっつけていく…。アクション映画の金字塔ですね。